【総評】良くも悪くも普通の終わり方
点数:72
【筆者が観測した本作の概要】
「令和のスクライド風美少女プロゴルファー猿」となっているこの作品、ちなみにオリジナルアニメ。なんのこっちゃわからないだろうから少し補足する。脚本をはじめスクライドのスタッフが関わっており、サンライズ色が強い。そのためか、なぜかガンダム・ガンプラがちらほら出てくる。
作品の主軸は闇社会の賭けゴルフで生計を立てる主人公イブが”七色の弾丸ことレインボーバレット”を武器に闇社会を闊歩し、ガンプラ好きの家族の生活を支える物語だ。その中で兄弟子と対戦することになったり、ライバルである葵との出会いがあったりする。闇社会で兄弟子に勝利することで表舞台に帰ることになったイブは日本の学校に入学し、葵と高校生大会にでること目指すところで1クールが終了する。今回はこの続編となっている。
本作は1期の感想があるからそちらを見てね。
【前半感想】
闇社会をゴルフで生き抜いてきたという異様な経歴を持つイブと、対等な実力を持つ葵がペアで高校生の大会に参加をしている。命がけでローズバレットと戦っていた頃からスケール感が小さくなっている気がしてならないが、当然優勝する。一応ライバルが現れたり追いこまれたりするシーンはあるのだが、負け確のライバル達を見ているのは辛いもの(退屈)があった。
恐らく葵とイブが共闘する熱い展開だったのだろう。と油断していた所に急展開がやってくる。葵の本当の父親は安室さんであるとか何とか。要するにイブと葵は天鷲一彦の異母兄弟かとおもいきや、えーっとそうではなかったと。突如ぶっこんでこられた昼ドラ展開に頭がついていかない。(雑な仕事をするアニメブロガー)
【後半感想】
昼ドラ展開の後は二人の活躍が描かれる。葵は安室さん譲りであろう病気のため、脳にダメージを負っており、イブは無理を続けたダメージが体に現れていた。そんな中、日本・ヨーロッパでそれぞれ優勝を飾り、二人は約束された決戦を全英オープンに定める。
葵は1位を走っていたが途中で脳のダメージ(病気らしい)が原因でリタイアする。残った前年度女王とイヴの一騎打ちとなり、イヴが一打差で勝利するが、闇ゴルフをやっていたことが問題となり優勝は取り消される。
エピローグではプロゴルファーライセンスが復活したイヴと病を回復しつつある葵の姿が描かれ、彼女らのゴルフ勝負が続く形で最終話が終了する。
【まとめ】
流石は名門のスタッフと言う印象だ。無名な新作タイトル、しかもゴルフと言う若干盛り上がりに欠けそうなテーマでも楽しめる作品に仕上げてきている。明るい世界を歩んだ葵と裏社会を歩んだイブとの出会い、共闘、決別、そして最後の決戦と「The・王道」を丁寧に描かれている。
展開だけでも面白いのに、主人公たちのピンチ・苦悩・成長が満遍なく描かれており、直線的な物語が多い近代作品とは違う印象を与えてくれる。私個人はこの時代の人たちが作る作品の方はやっぱり面白いように思う。
ここまでべた褒めしてきたが”この2クールを見てきたからこそ”の感想であり、一部の視聴者は1クール目の序盤で脱落している事だろう。ふざけたようなノリ、真面目で熱い展開、昼ドラのようなドロドロ、素人ではカオスな作品になりそうなコンテンツの多さだが本作では全てが最後の全英オープンにつながっている。
見た人は口を揃えて「楽しめた!」と言う閉じたコンテンツになる可能性が高い。私もその閉鎖空間で「BIRDIE WINGは面白かった」と言ってまわる一人に加わる事だろう。名作には最高のライバルが必要であると感じさせてくれたスタッフに感謝を伝えたい。
おかしいな、ヴィペールとかローズバレットとかで爆笑してたクソアニメだったはずなのに。良くも悪くも良い終わり方をしたという事ですかね、お疲れさまでした。