【2023春アニメ】絆のアリル【最終話(12話)後感想・評価】

【総評】不気味の谷は抜け出せれていない
点数:64

※6/27追記

筆者が観測した本作の概要

バーチャルYoutuberキズナアイの活動の一環として作製されたのが本作オリジナルアニメ「絆のアリル」。活動休止をしていたキズナアイの側面を踏まえた作品となっているらしい。内容はオンライン上のアイドル(Vtuber)を目指す少女たちの絆を描いた作品となっている。

最終話では御しがたいほどの締まりの悪さを感じる。この辺りは後半の感想で記載しようと思う。ぶっちゃけ0は高すぎた、報告書提出レベルの誤算である。

前半感想

いわゆるVtuber育成機関のような場所でトップを目指す少女の物語。かなり今風な作品の印象だがコンセプト事態は間違っていないはずだった。本家キズナアイと同じような3Dモデルを作っていながらも、圧倒的な棒人形感が拭えない。定点カメラから線の細い棒人形のダンスを見させられる時間が多く、これの印象がかなり悪い。

加えて楽曲もほとんど変わらない。致命的な準備不足が視聴者に伝わってしまう内容で、良くGOサインが出たなという印象となってしまった。せめて各キャラに持ち曲を一つとPVっぽいシーンを用意してあげた方が良かったのでは?


過去作品ではラブライブの虹ヶ咲のライブシーン、今期ではU-149のようなMusicVideoを用意する事が出来れば良かったのだが、完敗である。ある種、完成したコンテンツと発展途上のコンテンツの実力差を見せつけるような結果となってしまった。

後半感想

主人公達主要メンバは健気な性格が多く、応援したくなるようなキャラクターとなっている。にも関わらず、対して作品に身が入らないのは何故か考えてみる事としよう。本作の盛り上がる点に「仮想敵が目に見えない」という点が挙げられると思うのだが、いかがだろうか。

主人公の苦悩は基本的に「視聴者のウケが悪い」であり、攻略する対象が目に見えないという本作の性質は思ったより難しかったようだ。本作の視聴者からすれば主人公たちに大きな変化は見られないのに、作中では失敗していたり成功していたりする。

悪役がいて、そいつをグーパンでぶっ飛ばす。こんな風に”問題”と”問題解決”が視覚的に分かりやすかったら良かったのだが、本作はテーマ上それが出来ない。

アニメ制作も見えない視聴者のウケを求める業界であり、主人公の苦悩と作品の制作陣の苦悩が同じというのはなんとも皮肉な話である。

「主人公達のどこが変わったかわからんけど、なんかうまく行ったんだふーん」と置いてきぼりになってしまった視聴者は多いだろう。少なくとも私はそのうちの一人だった。

一応最終話では、コラボ動画をしても伸びないという逆境の中、主人公達5人が「みんなでコラボをしたい!」という気持ちで押し切り、専用のライブシーンが用意されている。この辺りはかろうじで主人公たちの進化としてお茶の間に届いたと思いたい。

ちなみに最終ライブのおかげか主人公ミラクは無事バーチャルグリッドアワー(作中の大会のような物)の予選で15位内に入ることができ、本戦?につなぐことが出来たようだ。目標としていたキズナアイに一歩近づいたのだろうか?

ラストはクオンの表情アップで終わっていたり、これから本戦がある事から、続編or何かしらのイベントが用意されていると推測できる。6/26に公式から発表があるのでファンの方は期待して待っていていただきたい。

ちなみにこの手法は直近では大海雪のカイナがやっていた「続きは〇〇で!」パターンであり、アニメ勢としてはめちゃくちゃ締まりが悪い。”残尿感がある”どころの騒ぎではなく、前も後ろも出ている最中なのにパンツをはいてトイレを出るくらい「おいおいおい終わるなよ!まだ途中だろうが」という感想だった。

まとめ

本作の着地点は果たしてどこだったのだろうか?主要キャラクタに人気が出て、キズナアイの子分のようなVtuberになる所を目指しても良かったのでは無いだろうか。そこにたどり着くにはいくつか準備不足があったように思う、特に3D周りと楽曲に。

不自然に長い首、何故か全身を定点カメラで映す、不気味な表情。この辺が緩和されているのは大前提であり、ライブシーンに関しては10話の14分頃に映ったキズナアイのライブシーンくらい力が入れるべきだったように思う。ご本家のPVのシーンは「これなら人気出るかもしれない」と感じさせる程度にはクオリティが高い。

まとめてみれば、対して良くない作画とストーリー、3D映像のクオリティは不気味の谷の最深部を徘徊している上に、そもそもよくわからない世界観。「ナイストライ」以外にかける言葉が見つからない。

親しみやすいポンコツAIである事が魅力のキズナアイが、作中で不自然に神格化されている事にも違和感があり、既存コンテンツの力を借りた割には良い結果にはならなかったと感じる。

例えば、普通の女子高生がVtuberを初めてポンコツAIキズナアイのアドバイスを受けながら四苦八苦する物語。最後は本当にVtuberとして活動する。これくらいシンプルなアニメにしても良かったのでは?

同期の「マジカルデストロイヤー」や過去作の「バーチャルさんはみている」のような”ネットコンテンツ→アニメ”が『どの時代に』『何やっても』イマイチうまく行かない事には何らかの規則性を感じる。

公式サイト見るとアニメにいなかった別グループとかあるし、すごく頑張って準備して0から作り上げたんだろうなぁと感じる。やはりナイストライでした。企画自体は面白かったんじゃないかなと思います、お疲れさまでした。

(C)KA/絆のアリルPJ (C)絆のアリル製作委員会

【追記】

なんと2期製作が決定しました!!!さすがにこれは分かってた。

この発表に対する感想は「ごめん。このままだと落とすけど、どうする?」って感じですね。本編でキズナアイがゴリゴリ出演するようになったら少しは空気が変わるだろうか、、、だとしてもちょっと神格化が進みすg(自主規制)

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