【2023冬アニメ】解雇された暗黒兵士(30代)のスローなセカンドライフ【最終話(12話)感想・評価】

公式サイト:TVアニメ「解雇された暗黒兵士(30代)のスローなセカンドライフ」公式サイト | トップページ (ankokuheishi-anime.com)

【最終話感想・評価】 点数67

【総評】1話感想でボロクソ言ってすいませんでした。終盤のメッセージ性はすごく良かったのですが、序中盤の中だるみと作画の悪さが目立つので、良い点は上げられません。

はじめに

思ったよりも良かった。何故かというと登場人物達や物語のテーマがそれほど憎めるものでは無かったからだ。作中でヒロインと結婚して子供まで生まれる作品って逆にめずらしくないか?この作品に関しては、夫婦のあれこれや自分の子供が生まれる大イベントを作中で一切描写していない。普通の人間だったら話のネタにするよなぁ。

藤田茜のマリーカめっさ可愛いんだが?

最終話は「こいつ絶対にやられ役だろ」と確信していたバシュバーザとダリエルが戦う事でお互いを理解し、バシュバーザが自分の行いを反省し、家族に招き迎えられる物語だった。えっ、何これは。唐突なハートフルな展開に動揺を隠せない。異世界作品の皮をかぶった家族愛を語った作品だった。

真のハッピーエンドに驚きを隠せない。

1話感想でこの結末を読み取れるわけがなく、「こんな作品30代がみるもんじゃねえ」とボロクソに書いたことを謝罪しなければならない。子供が生まれ、家族と今一度向き合いなおす、30代にふさわしい作品だった。いや、ふさわしいは流石に言い過ぎか。

まともな30代はこんな作品を見ないぞ、と早とちりしてしまった1話感想はこちら。

最終話概要

最終はバシュバーザとダリエルの戦いとその他の皆様と、、、えーっとなんだっけこいつ、画像のドラゴンとの闘いが描かれる。

バシュバーザが連れてきた奴だと思うんだけど、なんだったか。

本編はもちろんバシュバーザとダリエルの戦いの方だ。彼らの力と力が衝突し、ダリエルには絶対に負けられないバシュバーザはさらに強化されていく。

どっかで見た事ある姿に

ダリエルはバシュバーザとの闘いの中で彼の記憶が流れ込んできたようだ。それを見る事で彼が何を感じていたのかを知る。バシュバーザは憧れの父にあまり相手にして貰えず、寂しかったようだ。そして、自分よりも多い時間を父と過ごしていたダリエルに嫉妬し、暗い感情を抱いてしまっていた。

幼少期のバシュバーザは四天王として活躍する父に憧れる少年だった。
「ダリエルと出会ったことが人生最大の幸運だ」とまで言う父親。父親に憧れるバシュバーザからすれば嫉妬するのは当然だったのだろう。

一方、バシュバーザにもダリエルの記憶が見えたようで、「本当の家族じゃない」と負い目を感じるダリエルが父に尽くすのは当然だったと理解をする。

そうして二人は理解し合うことが出来たのか、手を取り合う事になる。ちなみに、この後ドラゴンの方が暴走してバシュバーザが自己犠牲の何ちゃらをしてダリエルが助けるのだが、割愛する。

『幼いあなたがしてくれたように、今度は俺が支える。あなたが安心できるまで』
お互い手を取り合うことが出来るようになる。(この後ドラゴンのクダリがあるけど、それはいいや)

ひと段落した後、バシュバーザは魔王からクビを言い伝えられる。自分がダリエルにそうしたように今度は自分がクビになったようだ。

いまいちよくわからない魔王さま。

バシュバーザは父と共にダリエルの村を訪れ、謝罪をする。(鉱山の方々等そこそこ被害が出ていたため。)その後歓迎されることとなる。

別人のように丸くなったバシュバーザさん。バシュバーザって何回タイピングしているんだ俺は。

最後はバシュバーザが旅に出る所をマリーカとダリエルが見送る。世界を見て回るとかなんとか。心穏やかな青少年となったバシュバーザの1からの旅立ちに涙ちょちょぎれますよ。ここで最終話が終了。

いつも通り巨大なお弁当を用意するマリーカさんが良い。
青年とのさわやかな別れをして本作が終了する。

HighLight

ダリエルさんの人間性が仕上がっているのが非常に良い。主人公ダリエルは”魔族に育てられた人間”であり、魔族に感謝しているものの人間を守ろうという意思もある。ダリエルはお世話になった村長の娘マリーカと結婚する事で村長となるわけだが、人間も魔族も村に関わる人を守るという姿勢を貫いており、これを嫌う視聴者はそんなにいなかっただろう。

ゼビアンテス様と勇者が魔族と人間の問題の中心人物でしたね。

ポップで男性的な笑いを散りばめた本作はかなり見やすい。頭空っぽでも話が入ってくるが、主要人物の確信に迫る話は意外と人間味があふれており、マジで意外と芯を持った作者の内容だった。

この作品といえばサウナ。真面目な話も、バカな話もしてくれるのが本作。

LowLight

この作品に対する私が気になった箇所は2点、タイトルと安っぽい作画だ。いずれも”どうしようもない”物であることは理解している。作画が安っぽいのはどうしようもないので割愛する。

この作品のタイトル『黒兵士(30代)のスローなセカンドライフ』はもうそれだけで第一印象が最悪だ。じゃあカッコつけて英単語1語とかにすると、昨今では消費者が付かないのは理解している。作品側には罪は無い、作品が飽和しきった時代で生まれた作風が私に合わないだけだ。こんなバカみたいなタイトルの作品みないぞ、っとなっている視聴者は一定数いるのではないか?

まとめ

人間と魔族、ダリエルとバシュバーザ。絶対に相容れない両社が最終話では仲良く並んでいる。そこを結び付けているのはマリーカでありその子供であり、父親達だった。振り返ってみれば「人間と魔族」、「ダリエルとバシュバーザ」と段階を踏んで険悪な関係を順番に解消していくこの物語は、よく考えられて作ったものだったのかもしれない。

このバシュバーザが最後主人公と仲良くなっているとは、、、昨今の”スカッとジャパン系なろう作品”を見てきたせいで予測できなかった。

「魔法が使えないからだめだ」、「王族なのに魔法が使えないなんて」、「オーディナリーのくせに」。今季に限らずこういう作風の作品は多い。あえて言葉にしておくなら、”一つの定規でしか物事を測れない”事がいかにバカバカしいか、と言ったところか。ダリエルは優秀な人間だったし、アニスフィアは王にふさわしい人物かもしれないし、ひょうけんはまぁいいや。

この話から改めて私たちが得る教訓は「アニメに関して一つの観点で評価を決めるな」ということだろう。作画が悪いから、なろう系だから、転生系だから。そんな好き嫌いを理由に決めつけてしまう事はよろしくない。

何が好きか嫌いかをはっきりさせてしまうことは、「偏見で判断するバカになる」という意味でもある。視聴者諸君もバカにならないように気を付けて欲しい。そして自分が間違っていたらバシュバーザさんや私のようにごめんなさいを出来る様になろう。

とはいえ、私は仮にも情報発信者なので、1話感想で毎回「面白いかどうか分からない」と書いてしまうと、ただでさえ出来の悪い感想が糞尿以下の感想になってしまう。そういうわけで、これからもある程度ポジションを取った発信は続けていこうと思う。お疲れさまでした。
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