【2023夏アニメ】Lv1魔王とワンルーム勇者【最終話(12話)後感想・評価】


【総評】予想以上の出来の良さ、世間的な評価は高かったりして
点数:69

筆者が観測した本作の概要

魔王を倒した後の勇者パーティを題材にしたコメディ作品である本作『Lv1魔王とワンルーム勇者』。第一印象は最悪だったが、笑い多めに舵を切ってくれたため、序盤は「思ったより見やすかった」という評価になる。

後半はかつての仲間であり、魔導庁長官のフレッド、ガンマ共和国リーダのレオの戦いに介入する展開になっていく。この普段やる気のない元勇者が仲間の争いに葛藤し、ついに重い腰をあげるかっこよさが魅力。ただし、作品の評価はこの後半の真面目路線が好きかどうかで変わってくるのではないのだろうか。

見やすい前半に対して真面目なカッコ良さを出してきた後半は、”やる時はやる勇者”を描くためには必然であり、良いギャップになっていたと感じる。端的に表現すると、タイトルの印象の悪さにに比べると、そこそこ見やすい作品になっている。

後半感想

物語後半では魔導庁長官のフレッドとガンマ共和国のリーダレオの戦いの放送を見ていた勇者がついに重い腰を上げる。魔王からのメッセージも届いていたのだろう。

最後は丘の上の戦いに勇者も参加することになる。「最後まで立っていたものが勝ち」というシンプルなルールで、かつての戦友がおっさんになって拳で語り合うことに。

最終的には退場かと思われた勇者が、出発時からちらつかせた飴玉を使用する。女魔法使いのユリアから渡された非常用の強化アイテムだったようだ。

ボロボロの限界バトルに勝利した勇者は「この度は申し訳ありませんでした」と土下座をする。お騒がせしたことを謝罪し、彼らが喧嘩しなくて済むようにして欲しいと勇者が頭を下げ続ける。

その後は勇者の評判がうなぎ上りになり、王国と共和国は不戦の路線を歩むことができたようだ。最後は暗躍していたサングラス(名前忘れた)が拘束され、代わりにフレッドがその席に座るようだ。

あの頃の輝きが戻ったわけではないと話す魔王と魔王の料理を食べたい勇者の生活は継続する様子が描かれ最終話が終了する。

HightLight

意外なことにアニメーションの出来が良い。ギャグマンガらしいポップなデザインでありながら、絵柄は安定している。止めた絵を多くする方向に振ることで、作画のクオリティを下げない戦略をとっているように見える。

省エネで温存した体力は、物語後半のよく動く戦闘描写に割かれており、「作画体力配分が上手な制作陣に恵まれた作品だった」と言って良いだろう。11話の戦闘シーンはめちゃくちゃ気合が入っていてよかったですね。

笑いのほうは・・・別に悪いものではなかったよね?底辺Youtuberやってる勇者とか妙に出番の多い秘書官とか。ライトに流し見できる笑いだったということで、ここはひとつ評価してあげるのはいかがだろうか。

LowLight

作風の好き嫌いはあるかもしれないが、見ていて違和感のある所はほぼ無い。

かつて世界を救ったという勇者が自堕落に生活している姿をみると、なんだか親近感を覚える。その一方で仲間や世の中のピンチが迫った時は、世界を救った最強の勇者として活躍する!見ていて一定の気持ちよさがあるタイプの作品と私は読み取った。

これは昼行灯系のキャラクターと読み取ることもできると考えていて、この1点が私個人は、うーん・・・と感じてしまった。

あとは何だろう?タイトルとキービジュアルでちょっと損をしているタイプの作品な気がする。このタイプの作品はネット評価高くなりがち。という傾向があると私は感じている。

まとめ

私が定義する※昼行灯系のキャラクターとは、「普段は無能っぽいけど、実はめっちゃ有能」という形をとるキャラと定義する。昔から人気があるキャラクターコンセプトではあるのだが・・・今の私はこれが好きではない。ここから先の話はあまり本作に関係ないところの言及になるため、補足として記載することする。※本来の昼行灯に”実は有能”ってパラメータは無いです、ご注意下さい。

全体的に見やすいし、アニメーションのクオリティも高めのコメディ作品だった。ラストシーンの勇者一行が十字路でそれぞれの帰路につくシーンカッコ良かったですよね。お疲れさまでした。

 

 

 

 

 

 

【補足】本作は全く関係がない一人語り

なぜ「無能に見えて、実は有能キャラ」を好きになれないのか

私のブログなので私の考えを勝手に書かせていただく。

30年近く生きて、運動・勉強・ビジネスの第一線で戦う人を見て強く感じるのは「世の中に無能っぽいけど実は凄い」人は存在しないのでは?という点である。

凄い人は普段からストイックな生活しているから結果が伴うのであって、多少の欠点やお茶目なポイントはあるけれど、「無能っぽい」と思われることはまずない気がしている。

 

 

じゃあなぜ、この昼行灯系のキャラクターが魅力的に見えるのかというと、「見る側が無能側の人間だから」と仮説を立てたいのだが、これは流石に怒られるだろうか?

「普段無能だと思われている自分が実は凄い一面も持っていた!」と、いわば”未だ見ぬ可能性”を求めるの欲望が具現化しているように感じてしまい、私はどうしても好きになれない。

これ系のキャラクターよりは「弱い自分を受け入れる、それでいい」と受け止められる主人公とかの方が個人的には好きですね。たとえば・・・えーーっとアニメキャラだと出てこないな。

無能だと思われている人って現実では・・・”無能”なんですよ。

繰り返すけど、ワンルーム勇者は「その昔めちゃくちゃ凄かった人」だからこの話は直接的には関係がありません。

『無能だと思ったら実は〇〇』みたいな、なろう系作品が多いから苦言を呈したくなったのかもしれない。承認欲求周りの無いものねだりは、フィクションだとしても見たくないかなって。まぁそんな感じ。

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