【総評】あやねるの家燃えててワロタ
点数:70
筆者が観測した本作の概要
本作『わたしの幸せな結婚』も小説家になろう出身の作品。異能の力を持たないために、名家で使用人以下の扱いをされている女性が結婚によって救われる話だ。本作は実写映画化もされていた作品であり、実は結構面白いのでは?と少しマークしていた作品だった。
原作や映画の評価がどうなっているかはわからないが、アニメだけに限った評価では「期待していたほど面白くない」という結果とさせていただいた。
物語序盤の齊森家から久藤家に移って、徐々に幸せな生活を得ていく美世を見ていると「良い話だなぁ」と思う一方で、「異能力設定いらなくね?」と思ってしまった。
1クール目の終盤では、美世が目覚めつつある異能力を巡って、美世と清霞(きよか)が離れ離れになってしまったり、昏睡状態の清霞を救う話につながっていく。
本作は事実上の分割2クールであり、2クール目製作が決まっている。境遇で不幸になっていた美世が、異能をによってまた不幸になってしまうのか、答えは2クール目が持ってくるだろう。
とはいえ良い所もいっぱいあるのでその辺も取り上げていくよ。
HighLight
最終話では旦那様(清霞)を救うために精神世界?のような描写が描かれる。精神系の異能力にありがちな展開だけど、自分の暗い部分と決着をつけるのは良いことですよね。
作画の方はかなり良好で、異形周りはちょっと苦しいが、この時代の背景や街並み・桜といった描写がめちゃくちゃ綺麗に描かれている。戦闘描写も頑張っている上にキャラクターデザインまで良好なので見ていてストレスに感じるものは無い。
改めてだけど上田麗奈の演技凄いよね。自信なさそうにボソボソしゃべるのにめちゃくちゃ聞き取りやすいし、可愛い。ついでに佐倉綾音の”プライド高いバカ女”の演技最高だよね。家燃えたこと含めて最高でした。
LowLight
最終話の帝周辺の描写でクソ笑っちゃったんですけど、私だけですか?
終盤に出てきた帝の目的は久藤家と美世(夢見の異能)を消すことであり、謎の洞窟で発狂しながら精神世界で攻撃を仕掛ける。しかし、美世の力によって撃退される。ここまでは良いのだが、なぜか敗北の勢いそのまま洞窟の焚火が帝を飲み込む。この作品悪い奴だたいたい燃えていてワロタ。
繊細な心理描写を期待していたが、最終話の状況まで来てしまったら”ラブラブ最強カップルと悪の組織”のよくある話しか期待できない。主人公美世の繊細なバックグラウンドに対して、大味な内容が続きそうで個人的に期待ができない。
まとめ
同期のシュガーアップル・フェアリーテイルが作品コンセプト的にはかなり近い作品となっている。(イケメンと苦難を乗り越える女性向け作品という意味で)正直1話段階ではこちらが数段上かとおもっていたが、着地したのはほとんど同じ所か、かろうじでこっちがちょっと良いくらいだ。
本作でも共通しているのは、結局キャラクター愛ありきの物語ということだ。美世と清霞に思いれがある視聴者なら熱中して見れるし、そうでない視聴者は、すごい伏線や深い心理描写を求めて「あんまりないなぁ」となってしまう。
自分の子供の運動会は日本代表の試合より面白く感じるし、知らない子供ばっかりの運動会よりもレベルが高いプロを見たくなる。例えるならこんな感じだ。
誰もがMAXで楽しめる作品じゃなくても、それで良いんじゃないかと思う。応援してくれるファンが楽しめることが最優先であり、それを満たす十分なクオリティはあったように感じる。
作画も良かったし、真摯に作られた作品だから全然良いよね。あんまり期待してないですけど、2クール目はちょっと驚く展開があっても良いんですよ?お疲れさまでした。