公式サイト:TVアニメ「不徳のギルド」公式サイト (futoku-no-anime.com)
【最終話感想・評価】点数:78
はじめに
ビッグタイトル不在の水曜日に突如現れたシューティングスター『不徳のギルド』。良くある異世界作品、もしくは下品なポルノ産業作品と思っていたが、まさにその通りだった。なのにこのジャンルでは最高峰の点数を叩き出している。1話感想時点で水曜日で一番オススメできると推していたのだが、私の期待を裏切らない内容で駆け抜けてくれた。
中盤でも笑いが全く失速しないし、次々出てくるキャラクターが全員良かった。もし新作アニメが出た時に「不徳のギルドの作者が作った奴だよ」と言われたら100%の信頼を寄せて見ることになるだろう。この作品の長所を3つ挙げるなら「主人公キクル」、「作画」、「下ネタを中心とした笑い」になるだろう。こういう作品を見落とさないために膨大な作品数を見ていると言っても過言ではない。
最初から好印象だった本作の1話感想はこちら:
最終話概要
日常アニメ兼ギャグアニメなので基本的に1話か2話完結の内容が多い。そのため最終話の内容だけ言及しても大して意味が無いので手早く進めていこうと思う。
ギルドのメンバーは給料日を迎えていた。え?12話やって1ヵ月しか経ってなかったの?あまりにも濃厚な冒険譚でキクルが寝込むのも納得だ。
ひたむきはいい子なので貰った給料でお世話になっている主人公キクルにお礼をしたいと言い始める。これには他のメンバーも同意したようで、トキシッコの発案でキクルに青春っぽい体験が出来るサプライズをしよう!となる。
4人は制服姿でキクルの家に押し掛ける、休みの日を共に過ごそうとするがキクルには用事があるらしい。用事の相手と電話をするとひたむきも連れてきてほしいと言われているようだ。
トキシッコ・ハナバタ・メイデナは自宅に残り料理を作ってあげて待つことに。ヒタムキはキクルと共に電話の主のところに向かうことになる。
古書を取り扱う店舗につくと店長のイズさんが現れる。キクルはひたむきが異常に魔物に狙われる理由を聞きに来たようだ。
細かいロジックは省いて、魔物は他の生き物から魔素を補給するのだが、ひたむきは魔素を集める力がすっごい有るので魔物には極上の獲物に見えるという物だ。
さらに言うとひたむきは自然とマナの形?がよく似ていることから自分の体の境界がわかりにくい・肌が敏感らしい。だからよく転ぶとかなんとか。
家に帰ると「同級生がシチューでめちゃくちゃになってるシチュ」を作ったというトキシッコ達。
最後は1話で使われていたどうしようもない状況になってキクルの冒険は続くという内容で終了する。
HighLight
通過儀礼なので作画の話をするが、めちゃくちゃ良い。ギャグアニメらしい輪郭線の太いデフォルメされたような絵柄はコロコロコミックのような可愛い雰囲気を作っている。ここにドン引きレベルのエロ要素を突っ込んでくるギャップが、エロいし下品だけど笑えるという独自の世界観を作っている。いつかの異種族レビュアーズもこれ系の絵柄だったしね。ジャンルとして確立されているように感じる。
次にキャラがめちゃくちゃ良い。簡単に私でまとめる。
ひたむき:本作のメインオブメイン。最終話ではこれまでの悲惨な体験の原因が明らかになったが、本人は気にしていないようだ。名前の通りひたむきに明るい姿が常に描かれている。現実にもこういう人たまにいるよなぁ、バイト先のカラオケのおばちゃんがこんな感じだったが、ひたむきな明るさに救われた記憶がある。ひたむきと同じ職場で仕事がしたい。例えどれだけ仕事が出来なくても。
メイデナ:幼くてかわいい。別にロリコンじゃないけど背伸びして大人になろうとしている内面もかわいい。白魔法使いでまじめでエリートという属性が後述するトキシッコ等と相性が良く、一部狂っているハナバタを尊敬しているパーソナリティ等遊びどころの多いキャラクターで良かった。
ハナバタ:作者のお気に入りなのか結構出番が多かった。狂化のくだりに一貫していたが、本作では唯一?恋心が明確に描かれており、本人はいたって常識人であることから様々なギャップを描くことが魅力になっていた。ただ、ヴェルメイユさんの時も言ったけど私個人はデカイ女の子はそこまで好みじゃない。この子は良かったけど。
ノマ:キクルの心の底からの「・・・男かぁ、、、」は正直笑った。エノメさんにテイストが似ている超美少女で超常識人。戦闘能力もそこそこなので文句ひとつないのだが、男。この作者は天才なので男であろうとお構いなしにお色気シーンにこのキャラを突っ込んでくる。『モザイク入れちまえば同じ事だろうがっ!!』と言わんばかりの発想のは天才のそれであると確信した。ノマが植物のような魔物にチンコ襲われているシーンは何人かの青少年を目覚めさせたに違いない。
トキシッコ:第一印象はそこまでだったのだが、ヨケグモのくだりで評価(弊社調べ)がバカ上がりしたキャラクター。ダウナー系でまともに会話できるうえにボケも突っ込みも行ける万能なキャラクター。7話8話ではファンタジー作品らしい雰囲気でかなり窮地に追い込まれたこともあり、ヨケグモ編最後のシーンは吊り橋効果でトキシッコの評価急上昇だった。
エノメさん:可愛い、エロイ。
これだけ書けば、私がこの作品をいかに評価しているかを理解していただけるはずだが、最後にギャグセンスについては触れておきたい。作りが上手だなと思ったのは4話で主人公が医者に成り代わり検診をする話だ。ハナバタの後にトキシッコを出して「大きさでは無かった、、、、」はめっちゃよかった。効果音とかもふざけすぎてて良い。
LowLight
え、、、悪かったところ、、、?無くない、、、?
弁明するわけでは無いが、他のなろう系作品の下品なシーンを以上に嫌うロジックを説明させて欲しい。ああいった作品は「グロい・エロい」描写を使って集客した挙句、『くそつまらないストーリー』を見せてくるから嫌いなのだ。「」の中身と『』の中身が一致していない。すっごい美人の保険のお姉さんがクソみたいな保険プランを勧めてくるのに似ている。
この作品の様に「エロい・バカみたいな笑い」で集客した後に、『エロい・バカみたいなストーリー』を展開するのであれば一貫性があるため全く問題ない。
有名長期連載の作品が「グロイ・エロい」シーンを差し込むのはスパイスの範囲という事で許容するが、マイナー作品が1話でそれをやるのは違うだろうと。諸君らも集客詐欺まがいのエロシーンに振り回されない賢明な視聴者であってほしい。
不徳のギルドを高く評価しているブロガーが賢明かどうかはかなり疑問だが、そこは考えない事とする。
まとめ
なんぼやってくれても構わない。2期・3期があったら喜ぶくらいだが、これ系の作品の続編をあまり見た事ないので、、、期待はしない方がいいだろう。むしろこれを目指すような亜種の作品が出てくることを祈るばかりだ。しかしこの作品の作者と同じような事が出来る人はそう多くないだろう。
過去作品を見ると真顔になったが、この作品の制作会社の頑張りには感謝を伝えたい。最後まで可愛い・エロいを通してくれて笑いもあったのは、作画が高いレベルで維持されていたからに他ならない。音響や背景や間の取り方も上手で違和感のあるものはほぼ無かった。
来期もこんな掘り出し物があれば良いのだが、、、5,6話になって「良いんじゃない?これ」となる作品はあるが、この不徳のギルドの様に1話で良さ気なことを確信できるアニメは少ないように思う。失速することもなったし。