【2022秋アニメ】モブサイコ100 Ⅲ【最終話感想・評価】

公式サイト:TVアニメ『モブサイコ100』公式サイト (mobpsycho100.com)

【最終話感想・評価】点数:75

はじめに

2016年、2019年、2022年と結構良いペースで3期の放送となり、完結となった本作『モブサイコ100 Ⅲ』。熱い戦闘シーンと人間味溢れるメッセージ性から根強い人気がある本作だが、3期でも良い感じの内容を見せてくれた。神作画と言われるような戦闘シーンが主題となるこの作品だが、私の中ではどんなメッセージを視聴者・読者に投げかけるのかを楽しみにしていた。その辺についてはHighLightの方で語っていく。


最強主人公のモブが暴走する原因が交通事故というのは若干腑に落ち無いが、まぁどんな感じだったのか見ていこう。

最終話概要

最終話ではモブではなくモブの中の何かが暴走しているところから始まる。11話では今までの敵役やライバルでも止めることもできなかった描写がある。

最後に準主役である霊幻が説得に向かう。芹沢の援護もあって近づいてきたが最後は自分だけも行くと言い始める。

何度もぶっ飛ばされてボロボロになりながらもモブに近づいていく霊幻。あと1歩届かなかったかと思ったが、しがみついていた。この辺の回想シーンの差し込み方も上手だ。熱いものがある。

存在しないはずの霊幻の特殊な力で立ち上がり、モブの手を掴む。その力はいなくなったはずのえくぼの物だった。霊幻に憑いていたようだ。

霊幻は涙ながらに嘘をついていたと話す。「俺には霊能力も超能力も無いんだ、何の力も持っていないんだ」、と。「最初から嘘だったんだ」と話す。モブの暴走は止まり霊幻と話をすることになる。

霊幻は最初モブに出会った時から嘘をついていた事を、利用してきたことを自分の正体として話す。その上で「お前だけが特別なわけじゃない、二面性なんて誰にでもある」と話す。嘘をついた自分だからモブと出会えた、特殊な能力があるモブだからいまのモブがあるんだと話し、今の自分を受け入れてやれと話す。

そうして自分の中の自分と折り合いがついたモブ・影山茂雄は100%になる。

告白した結果は振られてしまったが、「まだ異性として見た事が無い」と前向きな理由ではあったようだ。

このシーン良かったね。

それからは学校でのモブの活躍が描かれたり、事務所で仲間内を集めて霊幻の誕生日を祝う。よく笑うようになったモブの映像で物語が完結する。

HighLight

最終章は主人公をラスボスにして、今までの敵キャラを使った逆ボスラッシュ。この作者らしい展開でこれまた良かった。アニメの描写で言えば弟が吹っ飛ばされたシーンの描写は凄い。本当に宙に浮いた人の目線で描かれた描写は珍しく、アニメファンをうならせるような演出だった。さすが神作画チーム。

ニワカなので取り上げる箇所がベタなのは見逃して欲しいが、神樹編最終話のえくぼとのを取り上げる。

6話でえくぼにモブが伝えた言葉。これが良かったので原文そのままでお送りする。

「ずっとやりたかった事を、求めてやまなかった事をついに手に入れられそうだって時に、えくぼは僕を誘ってくれたんだよね。」

「こうやって一人でも実現できるのにわざわざ僕を誘ってくれたんだ」

「それこそが一番大事な事だったんだ。」

「僕のことを先に信用してくれたのは、えくぼだったんだ。ありがとう。」

えくぼ自身が望んだ形になったのにどこか満足できなかった思いが描かれる。

視聴者の人には彼らのやり取りをどう受け取っただろうか。やりたいことがあって、実現できることがあって、それよりもそれを”誰と”やりたいかの方が大切なんだ。それを誘ってくれた事はありがたいことなんだと。モブの様に素直に「ありがとう」と伝えるのは恥ずかしいかもしれないが生きる上で間違いなく大切なマインドだと思う。

こういう誰もが刺さるような等身大の言葉が本作最大の良い所だと思う。人気が出るのも納得だ。

LowLight

このONE氏の作品あるあるかもしれないが、戦闘シーンは素晴らしいが最終的にどうなるか分かっているからワクワク感が薄い。最強を最強の位置に描くのが長所だけに、揺るがない結末が物語の未知性を削る。3期ではそもそも「どっちが強い」かというシンプルな少年漫画の内容は少なかったのでこの点は問題ないが、作品全体を見ればという話で受け取ってもらいたい。

それでも、負けるキャラをかっこよく描いたり、何の力も無い一般人にもセリフで見せ場を持たせたり、魅せ方をよく知っていのでお釣りは来ているだろう。

こういう泥臭いけど立ち上がる描写好きだよねこの作者。

あとこういう説教臭いというかメッセージ性の強い作品って結構向き不向きあるんで、その辺は注意だ。世の中的にはもっとシンプルに、設定や、隠された真実・伏線、驚きの結末!とかが好きな人が圧倒的に多い。まぁこの辺は好みの範囲っす。

まとめ

HighLightで書くと長くなっちゃうからはしょったんだけど最後の霊幻の話は、誰もが耳が痛かったんじゃないだろうか。相手を利用するためか、自分を良く見せるためかわからないが、人は嘘をつく。それを抱えて生きている人は多いだろう。

その嘘のほとんどが相手からすれば他愛もない事なのに、嘘をついた本人が誰よりもそれを気にしているから本当の事を打ち明けられない。モブを説得するために『本当の事』を『自分から』話した霊幻は形容しがたい凄さがある。カッコイイとしか言いようがない。

ここまでべた褒めで走ってきたが、絵柄が合わないとか、ギャグ回が楽しめないとか、キャラが好きに成れないとか色々な要因で刺さらない事は多々ある。モブサイコ最高!というテンションで勧めて相手に刺さらなかった時に動揺しないようにしよう。タイトルの通り評価が1か100で人によって極端に異なる作品だ。

最後に言うなら、”モブや霊幻やえくぼを長年見てきて好きになった”という積み重ねが無いと100%この作品の良さを味わう事が出来ないように思う。原作ファンは100%楽しんでいるのだろうが、アニメをリアタイ視聴しているならまだしも、一気見した時にこの作品の良さ何%を味わう事が出来るかと言うと、疑問だ。

本ブログではアニメの一気見を推奨していない。願わくば毎週決まった間隔で見て欲しい。世界変わっぞ。

最後の敵は自分ってやつだ。お疲れさまでした。
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