【2022秋アニメ】ヤマノススメ Next Summit【最終話感想・評価】

公式サイト:テレビアニメ『ヤマノススメ Next Summit』公式サイト (yamanosusume-ns.com)

【最終話感想・評価】点数:74

はじめに

こんなにも女の子が頑張ってるアニメ他にあります?「富士登山」という誰にでも出来ると言えば誰にでも出来る事を一生懸命頑張って達成する、この尊さ。”誰にも出来ない事を”やった主人公を描くよりも、人並みの・等身大の努力を。到達地点ではなくその過程を!距離では無く速度を!速度では無く加速度を!1/2at^2+vt+xよりもat+vよりもaを評価して欲しい!!じゃないと人は頑張れない!!僕を微分して!!そんなアニメに感じた。

いやどんなアニメだよ。

申し訳ありません、本記事は4期放送を迎えると共に30分枠に昇格した『ヤマノススメ』の感想記事です。深夜アニメ黄金期を支えた有名声優が連なる事から根強い人気があり、作品のポップさと爽やかさから各自治体からの後援も手厚い本作。文字通り誰からも愛される作品として地位を確立した本作の4期は富士登山という主人公あおいの大きな目標、その達成までの軌跡を描く内容だった。

深夜アニメ黄金期?ここ20年くらいずっとそうなのでは?

結構キリが良い感じだったけど、続編とか出来るのかしら?原作は二十数巻程度あるらしいのでまだまだ現役のようだ。

過去分振り返りみたいなもんだけど、前半分の感想はこちら:

最終話概要

最終話は富士山2000mから始まる。前回とは異なるルートで目指しているようだ。

2700m時点では軽食を取りながら休憩を取る。木々も無くなって風景が随分変わってきた。

あおいは疲労を感じながらも七合目に到着する。しかし軽い高山病のような症状が出ている事を仲間と共有する。そこでひなたとあおいは目標の8合目ではなく、7合目で宿泊することにする。

『あしたもしだめだったら、ゴメン』『そんときゃそんときだよ』

夜明け前にあおいとひなたは出発する。人に追い抜かれながらも諦めない限り負けることは無いと登りきる。

明るくなってきたころに残りの3人と合流する。

このきついことした後に友達と合流する時のあの感覚、いいよね。マラソン大会のゴール地点みたいな。

目標であったご来光をみることが出来たあおいはみんなにお礼を言う。良いシーン。

せっかくだからと剣ヶ峰まで登りきることにして到着する。

富士山を登る過去の自分や未来の自分が描かれる。「未来の私、今よりきっと強くなってるって信じてるから」。

大人あおいがちょっとだけ映るよ。

HighLight

冒頭に書いた微積分の話になるが、この主人公のあおいという少女は富士登山にチャレンジして一度失敗しているのだ。その経験があっていろいろな登山をして経験を積んで体力を付けての今回の挑戦。高山病に苦しみながらも、知らない人に追い抜かれながらも自分の目標を達成する。これは誰にでも出来る事ではない。

「自分が頑張ってもたかが知れている」と悟ったような頭で挑戦しない人が多い時代に良いメッセージを残してくれているように思う。人が頑張っている姿には勇気づけられるというが、これはある種自分よりも弱い人の姿の方が刺さるのかもしれない。サッカー日本代表より、暗くなった公園でリフティングの練習を一人でする少年の姿の方が、胸に来るものがある。体力が無くて自身が無かったあおいの成長。これをHighLightと言わずして何を評価しろと言うのか。

あ、作画と背景は両方とも凄かったです。背景はこの後話します。

LowLight

悪い所でも何でもないのだけれど、”背景が綺麗すぎる事”と”たまに実写を入れてくる性質”から「この背景は実写か!?」「いやこれは絵か」「いやこれは実写では?」という謎の問答が私の中で始まってしまい話が入ってこない。同じ現象を経験した方はいらっしゃらないだろうか?何言ってるかわからない方のために画像を3枚用意したよ。どれが実写かよく見てみてね。

こんな集中力の無い視聴者でゴメンナサイ。AIがイラストを描く時代になった今、山の風景を描くなんてのは訳無いのかもしれない。そのため、今後はアニメの背景を褒めるような表現は少なくする見込みだ。

しかしながら、この作品は大昔から風景という物に重きを置いて、きっとすごい人が時間をかけて背景を書いていたのだろう。それだけにこの時代の潮流と共に、その文化の価値が薄まっているような気がして心が痛い。特に私の様に集中力が無く、絵心が無い人間には「AIが書いた背景」と「人間が書いた背景」の見分けがつかないのだ。こればっかりは申し訳ない。こないだも「このサーモン上手いね!」って言ったら「鳥刺し」だよと突っ込まれたし。違いの分からない男には辛い時代になってしまった。

わしゃ豚と牛の違いは分からんし、鳥と魚も間違える。

まとめ

あおいばっかり取り上げてきたが、ひなたもめちゃくちゃいい子なのだ。強くたくましく優しい、ちょっとだけ不器用。大人になったら絶対良いお嫁さんになりますやん。趣味アニメに必要なものは大きく二つ、趣味とそれを共有できる友人だということが良くわかる。

前半でもつかったけどこの画像良すぎな。

この作品、実際に富士登山をした人なら汲み取れる情報がもっとあったのだろう。地面を踏みしめる描写や霧がかってきた時間、日の出直前の空気。現地で見て知った人ならどんな空気がしてどんな匂いがするのかもわかるのだろう。それを思うとやはり登山経験者の方が楽しめるアニメなのは間違いない。よりアニメを楽しむために、富士登山をTODOリストに入れて、10年くらい眠らせておこうと思う。

正月も登る人いっぱいいるんでしょうねぇ、お疲れさまでした。
タイトルとURLをコピーしました