【総評】良作。点数が控えめなのは女性向けだからに過ぎない
点数：６７
筆者が観測した本作の概要
今季の女性向け作品枠の『シュガーアップル・フェアリーテイル』。私の女性向け作品の視聴数は自慢できるほど多くない。そのため、にわか女性アニメファンの記事として読んで欲しい。
本作は2023年冬に放送された１クール分の続編である。１クール目は少女とイケメン妖精の出会い・本作の世界観の紹介が行われていた。特筆すべきは主人公が薄幸すぎる事。１クール目では幾多の苦難を乗り越えた結果、発情泥棒猫ブリジットにシャルを奪われる、という衝撃の結末を迎えた。
２期は期待値通りの展開が続いたが、最終話周辺はこの世界観にふさわしし内容が繰り広げられて「あれ？思ったよりもちゃんとしているな」という印象だった。シャルと同じ戦士妖精のラファルとの争いや、最終話の銀砂糖師としての作品を含め最終話はかなり綺麗な締め方をしていた。
「無理に女性向け作品見て、無理に感想記事書くなんて辞めろ」と言われそうだが辞められないでやんす。シュガーアップル・フェアリーテイルの感想記事書くの辞められないでやんす。
HighLight
人間と妖精の恋愛模様を描くだけかと思いきや、最後は妖精同士の関係にも踏み込んでいた。ここが良かったところだと思う。本作の妖精は命にも等しい羽を人間に管理されることで自由を失っていたが、妖精王であろうとしたラファルも人間と同じ管理の仕方をしたため、彼の望む結末は迎えられなかった。
羽による支配をしない、あるべき姿に切り込んだのは他でもない当時１５歳の少女アンであり、彼女との出会いによってラファルとシャルは全く別の関係になったという２４話の表現も素晴らしかった。
新しい環境で銀砂糖師として活躍するアンの苦悩と活躍も丁寧に描かれており、『シュガーアップル・フェアリーテイル』という名前に恥じぬ、死んだ設定のない作品となっていた。
ぶっちゃけ、異世界ファンタジーとして結構完成度が高い作品に感じましたよ。２クールでアニメ化されるだけのことはありましたね。にわかで男視聴者の私でも楽しめるのだから女性視聴者は満足できる作品なのだろう。
LowLight
一時はどうなるかと思った発情泥棒猫ブリジットとの争いだが、シャルとの関係が断絶するわけではなく、ブリジットに隠れて逢引するシーンが多かった。一度シャルの所有権をブリジットに移してその中で密かに会うことで、逆に燃える恋愛をしているように見えた。
NTRを発生させておきながら元鞘の方が良い！みたいな展開に見えてしまった。例えるなら「あぁ！旦那の〇〇の方が大きい！」みたいな感じだろうか？女性向け作品で最低な例えして申し訳ありません。
何が言いたいかというと「最終的に良い感じになるんだろうな」という感覚が強く、どんなピンチを迎えてもハッピーエンド以外想像できない作品だった。ここを退屈に感じる原因と考えた人は私だけではないはずだ。
例えば、「ラファルとシャルどっちかしか救われないじゃないか！」となれば、ドキドキする展開もあったかもしれないが、結局ラファルも”悪役”でしかないので『どういう結末を迎えるか』が容易に想像できてしまった。前クール分の感想記事でも書いたが、所詮”勧善懲悪”といった所に落ち着いてしまった。
まとめ
ここまで作品の内容の話ばっかりしてしまった。これは内容がしっかり練られていることの裏付けである。アニメーションの出来はかなり良かったのも大きいだろう。我らがJCSTAFFのおかげということで。
ここまで結構べた褒めできたのだが作品が女性向けであるんだけども、映っててうれしいキャラが主人公一人なのが男性視聴者として辛いところ。「マジで男が見ても面白い」と言えるほどのクォリティではないのでこれくらいの点数で許してほしい。
昨今の女性向け作品ってどうなんですかね？アニメの量が増えているの気がするけど歌モノ・アイドル物が多すぎて、まともなファンタジーしてるこの作品は結構貴重だったのかも？
作品のメインターゲット層に私がいなかっただけで、良い作品だったと思います。お疲れさまでした。
