公式サイト:シャインポスト
【最終話感想・評価】点数:84
はじめに
クォリティアップのために数週間遅れての完結となった本作『シャインポスト』。嘘をつく人が光って見えるという特殊な能力を持ったプロデューサーと少女たちの話だったが、後半はこの能力はほとんど関係なかった。そして主人公は青春天国こと青天国春だったが、実際は玉城杏夏だった。だがそれがいい、めちゃくちゃ綺麗なシンデレラストーリーだった本作の魅力を伝えたい。
一応前半分の感想はこちらから:
最終話+11話概要
簡単に11話と最終話の流れを確認しよう。
11話は蓮と春の過去の話が描かれる。この二人と誉は幼少期からの友人でアイドルが大好きだった。
そんな中、蛍のライブをみた蓮はアイドルになりたいと言い出し、二人を誘う。誉はアイドルが好きだけど自分がやるのは違ったらしく、春は誘いに乗ることになる。
同じユニットとして活動する春と蓮、しかし圧倒的な春の才能を前にした蓮は落ち込み、春は自分が蓮を傷つけたと感じユニット去る。
そんな過去の話を聞いた杏夏は、春から皆には黙っておいてと言われたのを無視してメンバーに打ち明ける。この時、横で杏夏さん杏夏さん言ってる春が可愛いのでアマプラで見直して欲しい。
中野サンプラザのライブで黒金蓮を納得させられなければ春と連れ戻すという取り決めをした後で、黒金蓮と春がどれだけ昔から夢を共にした仲間か聞いてしまった杏夏は落ち込んでしまう。そこに秘策があるとプロデューサーが言ったところで11話が終了。
最終話では中野サンプラザに多くの人と関係者が集まっていた。当然HYRAINに加えて誉も来ていたようだ。
一方楽屋でTINGSが気合を入れて出発するシーンが描かれる。そして帽子を忘れた春はプロデューサーと少し話すこととなり。過去に蛍のライブ会場で忘れ物をした時に、蛍やプロデューサーと合ったことがあると話す。だから1話であった時にあのリアクションだったそうだ。
ライブは無事成功に終わり、次はHYRAINと対バンで武道館を埋めることになるらしい。TINGSの活躍は続くようだ。
エンドロール見ているだけで懐かしい。時間さえ許せば年末に一気見しなおしたい爽やかな作品だ。
HighLight
もはや長所しかない。
まずは作画の話だ。昨今のアイドルアニメのライブシーンは”いかに俺たちのCG技術が優れているか”を披露するかのようなCGでの激闘が繰り広げられている。ラブライブ有するサンライズが少し頭を抜けているような気がするが、このスタジオ櫂はほとんどを手書きでこなしていた、これが最高に熱い。やっぱりまだ手書きの方が強い。やがてはCGが勝つことになるのは避けようがないが、まだまだ手書きが強い。
このアニメの手書きの何がすごいかと言うと、本来あるべきものである登場人物の”能力差”を描いているのだ。アイドルとして天性の才能をもった春と他メンバを見比べると、明らかにダンスや表情の描写が異なり、春がアイドルとして卓越した能力を持っていることを表していた。これをライブシーンの細かな描写でやってのけているのはこの”シャインポスト”以外で見たことが無い。まさに手書きだから出来る創意工夫だ、我々はこれが見たかったのだ。
2つ目は作品テーマ。春の目標は”みんながアイドルを好きと言える世界にする、その目印となるシャインポストになること”だった。どっか(自分の推し)で聞いたことあるな。5人にはそれぞれのテーマがあり、それを振り返るような描写と共に、ステージに向かうシーンは最高だったと言わざるを得ない。
杏夏が主人公になってる並びじゃない。
地味にめちゃくちゃ共感したのが「アイドルが一晩で激変することがある」とプロデューサーと蛍が杏夏の事を話すシーン。長い積み重ねは前提で、人が成長する瞬間は一瞬だという趣旨のこのセリフ、あまりにも分かりみが深い。はねバドにも書いてあった。「あ、今なんか出来たな」と、今まで出来なかった事が、突然出来るようになるあの感覚、あの感触を探して私たちは生きていたのかもしれない。
普段ふざけているのに、結局クソ真面目なところに着地する本作がシンプルに好きだ。
LowLight
まとめ
振り返れば彼女達の戦いは誰かを納得させるための物語だったのかもしれない。中盤は雪音と紅葉を納得させるだけのパフォーマンスを見せて、元の5人のTINGSに戻るための物語。後半は春を自分の元に取り戻したい、HYRAIN黒金蓮を納得させるための物語。最後は自分に出来ることは無いと俯いてしまう自分を納得させるための物語。最後の杏夏と春の2トップはその集大成だったのだろう。やっぱ主人公杏夏じゃないか。「次こそ選ぶんだ、僕が許せる僕を」というメッセージを感じる、本作はそんな事は一言も言っていないが。
アイドルアニメ50選、的なサイトを眺めながら思ったが「一番好きなアイドルアニメは?」ときかれたら、私は本作と答えるだろう。今でこそこの作品は私の多くの視聴対象の1つであるが、多感な学生時代や、自分に自信が持てない社会人になった直後など、不安定な時期にこのアニメを見ていたら人生のバイブルとして掲げることになっていたかもしれない。
アニメに限らずエンターテインメントを楽しめるかは「視聴者自身がどんな状態か」が、深く深く関わる。遭遇することがあるかは分からないが、「シャインポストに人生を学びました」なんていうキモオタ青年・少年が現れたら満面の笑みで手を差し出してしまうだろう。
読者諸君も人生のバイブルになった作品があるだろう。その神棚に新しい作品が追加できるように、新しいものを見て、あなた自身が新しい事に取り組んで欲しいと切に願う。