公式サイト:プリマドール
【1~2話感想・評価】期待度★★★☆☆
[結論]妖怪シャクタリンが沸いている、1クールでなんとかできるのか!?
戦争の道具として使われていたオートマタ達が喫茶店で平和に生活しているのが基本の本作。大体のキャラクターは戦争時代に暗い経験があり、それと向き合い前向きに生きていくストーリーとなっている。Key作品は遡ると、「神様になった日」、「Rewrite」で2連敗中である。(最後に1勝しているのは2015年のCharlotte)勝ち負けの定義はどこにあるかというと何処にもない。100%感覚。手放しでほめれない程度には微妙で、普通と呼ぶにはちょっと優秀な本作を取り上げていく。ついでにKey作品がかかっている病について最後に取り扱うこととする。
[HighLight]
まず、本作はメディアミックス作品であることを触れておきたい。アニメは切りのいいところまで進行するだろうが、本命はそのあとのゲーム、スマホゲーム展開である。もしあなたが熱狂的なファンになった場合はその後も末永く付き添えるのは本作の魅力ではある。
次にキャラクターと作画について。作画については昨今の高水準にバリバリ乗っかっている。そこに違和感を覚えることは無いだろう。
キャラクターは可愛いのだけれど、どうも海の向こう側の香りがしてしまう。なんかアズールレーンっぽいのだ、これは監督とかそのへんのスタッフのせいだと思われる。あれだけ愛されていたKey作品から中国韓国の雰囲気を感じるのは時代の変化を感じざるを得ない。
シナリオについては後述する病が深くかかわっているが、グランドデザインは嫌いではない。もはや好み。ちょっと愉快なくだりも用意しつつ、戦争周辺のダークな雰囲気も合わさってちょうどいい緩急になっている。受け入れて、前に進むというスタンスが好きなのだ。個人的によかったのは3話の箒星回。箒星というオートマタが声を失った背景とその後が30分で描かれている。
[LowLight]
Key作品に共通することだがちょうどいいキャラクターがいない。(個人差があります)とても幼い、幼い、大人しか選択肢が用意されておらず、XS、S、XLサイズからお選びくださいという感じになっている。主力がロリキャラである、これはいけない。現代ではアニメを見ていることが市民権を得ており、何のアニメを見ているか話すのがもう一般的なのだ。
クラスの女の子や彼女に○○ってアニメが良かった!と話すことが普通になった現代で女性目線度外視の作品が人権を得ることができるわけがない。過去は「アニメ=キモオタ=女性受け0でOK」という方程式が成り立っていたが、令和の時代では通用しないのだ。例えばラブライブだ、女性ファンが一定数存在している。今期のリコリスリコイルもそうだ、女性が見ていて不快なシーンはそう多くない。ノリが極めて一般向けなのだ。
Key作品はかなり前時代的で、そこが進化できていない。極端なロリキャラは非常に受けが悪い。私の友人もLOが原因で別れたくらいだ。MサイズとLサイズを用意しないKey作品がまた天下を取ることは無いだろう。
冒頭で上げた”病”ついてあげておく。病名は原発性放期欠乏症、要するに尺が足りないのだ。圧倒的な世界観と作りこみを行う同社作品は、やりたいこと・描きたいシーンが多すぎて1クールでは到底収まらない。だから原作ゲームプレイ時とアニメ化作品で評価に大きな乖離が発生するのだ。これほど立場によって評価が大きく乖離する存在は政治家かKey作品くらいである。
結論、圧倒的に競合作品が多く、ユーザの消費ペースが加速した現代において、地上波という枠がKey作品にそもそも向いていないのだ。個人的に3話はぎりぎりOKだったが、1話の感想はサイト運用者で満場一致して「30分で視聴者泣かせるのは無理なんよ」だった。
とはいえ放送枠内で切りのいいところまで完結する気の無い、漫画作品やラノベ作品に比べれば、畳み方という1点において、本作はオリジナルアニメと同等の期待を寄せてよい。人にお勧めできる終わり方ができるか楽しみである。
【最終話感想・評価】
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