【2023春アニメ】マイホームヒーロー【最終話(12話)後感想・評価】

【総評】話の内容は面白い、アニメーションの不出来さで損をしている
点数:69

筆者が観測した本作の概要

平凡なサラリーマンの主人公鳥栖哲雄には娘零花がおり、その娘が半グレというか全グレの彼氏と付き合っている事を知る。その彼氏麻取延人はなかなかのDV体質であり、実家の財産を目当てにしている上に殺人の経歴もあるとんでもない男だった。その男から娘を守るために哲夫は延人を殺害する。

行方不明になった延人を探す組織とそこから逃げ切る哲雄の物語だ。漫画原作では第1部から第3部まであるらしく、原作ファンは口を揃えて「宗教編になるまでは面白い」と言っていた。アニメはこの第1部で完結しているため、下馬評通り内容はとても良かった。

前半感想

再三にわたって”内容は”と強調するのはアニメーションのクオリティが低いからに他ならない。緊迫感のあるシーンや家族の絆、組織の恐ろしさを表現するシーンが大量にあるにもかかわらず、どれも安っぽい絵柄で完結してしまっている。

このアニメをクオリティの高い作画で作り上げていたら、かなり高評価な作品となっていたと思われるだけに残念だ。

あんまり作画の文句を言ってもつまらないので、前半の内容の良さを補足する。本作は”過ちを犯した主人公が組織から逃げ切ろうとする”構図であり、近いものではDeathNote辺りはどうだろうか。あれとは善悪の所在が真逆ではあるのだが、「組織の捜査の魔の手からギリギリ生還する」様子をエンターテイメントとして楽しむという観点ではよく似ているだろう。

なにが言いたいかというと、この構図とっても面白いのだ。

後半感想

本作は主人公を強烈に疑う男恭一がおり、彼がいわゆるLのようなポジションだ。恭一も悪人ではあのだが、彼のバックボーンや料理人になる事を目指す姿を見ると視聴者も哲雄も100%嫌いになる事は出来ない。そこを主人公はやってのける。自身が殺した延人殺害容疑を恭一に擦り付ける事をやってのけ、そこに至るプロセスまでが開示されていく。

内容を見て貰えばわかるのだが、スーパーインクレディブルな妻が大体何とかしてくれている。ニアとメロの二人ならLを超えられるように、哲雄と奥さんがいれば恭一を超えられる。と言った感じだろうか。

物語最終版は延人の父親とあわや共倒れの危機に迫るが、警察がポンコツだったために助かってしまう。延人パパは自殺だったわけだが、結果的に親子両方を死なせてしまった主人公が報われる日はくるのだろうか?という内容で完結する。

平凡で優しい男が家族のためだったら何でもするという姿はまさに『マイホームヒーロー』であり、第一部に限ってみれば完成度の高い作品だった。もう少しかみ砕いて言うと「この展開どうなるんだ!来週がめちゃくちゃ気になる!!」というアニメ本来の面白さを提供してくれた良作だったという事は繰り返し伝えておきたい。

まとめ

作品の良さは作画で乗算されるような印象があるが、やはり内容の重要さは否めない。本作は「作画が良ければもっと面白かった」かもしれないが、十分来週が気になるクオリティとなっている。作画がめちゃくちゃ悪い・安っぽいので点数は控えめだが、本作は面白いという人が目の前に現れたら100%同意することが出来る。

事あるごとに比較しているDeathNoteに比較すると、義理人情に重きを置いた大人向けの作品だったのかもしれない。そこが本作の良さであり、私が好きだったポイントである。この内容で作品のタイトルが『マイホームヒーロー』。カッコいいですね。

普通に面白かったです。お疲れさまでした。

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