【2022夏アニメ】メイドインアビス 烈日の黄金郷【最終話感想・評価】

公式サイト:メイドインアビス 烈日の黄金郷

【最終話感想】点数:75

圧倒的な世界観と設定で一部熱狂的な人気を獲得している「メイドインアビス2期」の放送が終了。1クール分では大満足のボリュームがあり、ファンの方も納得の仕上がりだったのでは無いだろうか。1話視聴時はあまり前向きな気持ちが無かった私でも、2期の内容でかなり楽しむことが出来た。という事を謝罪しており、なぜか敬語で書いていた前半の感想はこちら:

重厚な設定・世界観と制作班の寵愛を受けた作画から繰り出されるアニメーションは、類を見ない完成度となっている。絵柄と作風ゆえにスパイファミリーやチェーンソーマンの様に業界の中心になることは出来ないものの、確実に地力を備えた”一部ファンに強烈に支持される作品”に仕上がっている。

マアアさん画面に映ってるだけで、初見さんの違和感半端ないって。

私がわざわざ自分から名前をだしてこの作品を誰かにオススメすることは無いように思う。ドン引きされたら立場が無いし、めちゃくちゃハマられたらそれはそれで煙たいからだ。面白さとクォリティを認めて尚、取り扱いの難しい本作品の良さを伝えていく。

面白いんだけど取扱注意の本作品。

この作品はとにかく動きが多く、色彩が派手で表現の難しそうな軟体物感が強い。何が言いたいかというとアニメーションコストがすっごく高そうなのだ。同じ作画レベルの作品はあるだろうが、それでも「このシーン良く動かせてるでしょう?」という物が多いが、この作品は30分動きっぱなし。特に最終話周辺は映画館で放送するつもりなのかと疑うレベルで力が入っている。あー最近の作品は作画良いよね、のレベルを凌駕していることは胸を張って良い。

製作コストがとんでもないことになってそうな本作品。火葬砲はいつだってド迫力だ。

物語はファプタの復讐と成れ果ての村であるイルミューイを解放するまで。戦いの後レグ達はファプタに共に冒険に行かないかと誘うが、「考えておくそす」とやんわり断られる。書けば書くほどボロが出そうなので超手短に展開を書いておく。訂正があれば連絡をよこして欲しい。

ファプタは語尾が「そす」。可愛いそす。

リコたち主人公は第6層成れ果ての村に到着する。そこは過去の冒険家”決死隊ガンジャ”と子どもを産めない体だったため捨てられた子どもイルミューイの成れの果てだった。決死隊は水もどきというよくわからない物に感染し、イルミューイ自身も感染するが「欲望の揺籃」を使い一命を取り留める。異形の形となり子どもを生み出すイルミューイ。イルミューイの生み出した子どもを食べると症状を緩和できるということがわかり、決死隊はイルミューイが産んだ子供を食べまくることになる。そのまま巨大化したイルミューイはでかくなりすぎて、成れ果てとなった決死隊も住まう成れ果ての村となる。

ぎりぎり顔がわかる頃のイルミューイ。

ファプタはイルミューイが村の外に産んだ最後の娘で、母の憎しみを強く継承しており「村に住まう奴らを殺し、村を解放する」事が目的。ちなみにレグの元カノ。レグは一緒にいたころの記憶が無かったけれど。せっかくなので主人公3人の村での活躍とファプタに触れて置きたい。

村に到着すると皆殺しを宣言するファプタ。
それを輝く眼差しで見つめる成れ果て達。ミスチルのライブもこんな感じだ。

まずレグはファプタの事を覚えていないものの、仲良くしたりぶっ飛ばされたりする。途中で火葬砲を使ったことで奇しくもファプタを村に招くきっかけとなり、過去の自分の約束を守ることになってしまう。村を滅ぼそうとするファプタに応戦するが敗北する。最後はリコの白笛の力をかりて乱入してきた気色悪いキリン2体を橋から落として撃退する。優しく爽やかでカッコいいキャラクターだ。

作中1番の常識人。

ナナチは1期とほとんど同じことやっていた気がする。デロデロのキタエリとゆっくり昼寝した後、キタエリを送り出しベラフを従えて窮地に登場する。人気あるのもわかるなこのキャラ。

作品の人気の4割くらいを担っていそうなナナチ。

主人公のリコは並みの人間だったら初日で首吊って死ぬ状況でもノリノリで冒険を楽しみ、くたばりかけの先輩冒険家(クズ)のワズキャン相手に「ここにきて良かった」と言ってのける。何もできないはずの主人公が多くの人を動かしている。という描写が表現されていて良いメッセージだと感じた。結構狂ってるよなこの主人公。

実際一番狂ってるのはこいつでは?

表情豊かなファプタは良いやつにも見えるし怖いやつにも見えた。念願の村の内部に来たときは激おこ演説が行われ、可愛さの欠片もない狂気が描かれていた。最終話ではファプタの過去の話も描かれ可愛い過去も流れる。

最後は母の唯一?の友人だったヴエロエルコの記憶を知ることで、母の過去の姿をファプタも知ることができる。その後ヴエコを看取り、弔う。

母の友人を見送るファプタ、普通に人生の断片を描いている気がする。

練りこまれた設定と展開が全てなので、こちらで推察したり思いを馳せる余地は多くない。綺麗に物語が畳まれていることから、後腐れの無い良い視聴後の感覚を迎えられる。住人たちは「村の最後の子供」という高尚な存在に出会えた喜びや、殺されることで罪から解放される嬉しさの中消えていったし、村自体も消滅してしまった。マジカジャさんとマアアさんはそもそも決死隊ではなさそうだが、良い感じに活躍して消えていった。マアアさん最後なんでいなくなったか分からないそすな。

中に入っている気体が本体のマジカジャさん。最後はファプタに一時的に乗り移ってそのまま消滅した。

2期のメッセージは色々ありそうだが、主人公が「村人たちに助けられたことちゃんと覚えてる」と言っていたり。ヴエコが「ただ あの子のことを 忘れたくないだけ…」と表現していることから、目の前から居なくなった人たちをリスペクトする事の大切さを描いていたように感じた。触手と液体が好きなだけの変態だと思っていてすいませんでした。

色んな人に助けられた主人公。

その人気とクォリティから間違いなく3期も作られるであろう本作。変なポリシーで見るのを避けるよりも、いっそ好きになってしまった方が楽しみが増えるのでは?その方が人生楽しめるのではないだろうか。まぁ見たもの全部面白いって言うのもどうかと思うけどね。これも嫌いあれも嫌いって言っているよりはいくらかましかと。

そういえば第7層で終わりなんじゃなかったっけ?お疲れさまでした。
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