公式サイト:TVアニメ『悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました』 (akulas-pr.com)
【最終話感想・評価】点数:53
はじめに
悪役令嬢に転生してしまったパターンの本作『悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました』。女性版転生系作品として定着しているようだが本作は手ごたえが無かった。類似作品で破滅フラグが出てくるがあっちよりも自己顕示欲の強い作風に仕上がっており、趣味が合わなかった。
最終的には完結してくれたので2期作成されることは流石になさそうだ。私はイマイチつかみどころが無かったので本記事は手短に終わらせようと思う。アニメの文句ばっかり言ってても世の中良くならないからね。最初から最後まで言う事は変わらず1つ、アニメとして出来が悪い。
最終話概要
手短に最終話の概要をおさらいしておこう。
エレファスと共に牢に捕らえられていたアイリーンだが、取り戻した聖剣で牢を脱出する。アーモンドのことも許さないと言った上で助け出す提案をする。エレファスが左目を魔力の源としてアイリーンに差し出すことで自らの覚悟を示す。
エレファスと共に行動することになるアイリーン。「なぜその男と!?」と聞かれると「調教済みよ!」と答える。調教済みて。
北の塔にたどり着くと聖剣をもったリリアが待っていた。メインヒロインでありながら、こっちのほうがよっぽど悪役令嬢だろうという雰囲気で煽ってくる。
聖剣同士のギリギリの戦いが行われる。転生した者同士の戦闘なので熱い展開のはずだが、作画のせいで迫力に欠ける展開に。
愛の力と称しながら魔王の力をも使うアイリーン。しかしリリアを倒すまでには至らずピンチに。
死んだはずのアーモンドが現れ、バードストライクを扉に放つことで状況を打破する。その後はエレファスが左目をつかって魔道具を起動させてクロードが復活する。
セドリックが跪いて今回の件について責任を取ると言い切る。その上でリリアを愛すると言い切っており、あちらのカップルはあちらでかなり固い絆があるようだ。
最終的にはその後どうなったのか、なぜアーモンドが死んでいなかったのかという話がダイジェスト的に説明される。そしてクロードはアイリーンとの婚約を発表し、町では号外が出ていた。最終的には二人のウェディング姿が描かれて最終話が完結する。続編はなさそうな締めくくりだった。
HighLight
内容も少し気になる個所は多いが、そもそもアニメーションとして完成度が低すぎて良い所を見つけるどころではない。強いて挙げるなら、主人公のアイリーンが女性向けの作品の割にはサバサバしているというか、女子女子していない。これは主人公に個性があって悪くなかったと思う。同期の虫かぶり姫はめちゃくちゃ女子女子しているから良い対比になった。これはどちらが「良い・悪い」ではなく個性の話だ。
私個人はどっちかに寄っていてくれる方がありがたい、別のパターンの作品として楽しめる事が出来たので。
LowLight
本作をしっかり見ていた人は「何を今更」と言うだろうが作画レベルが低い。もともとは中コストくらいのデザインだったのだが、物語後半は誰がどう見ても作画班が限界だった。どれだけ限界ギリギリでも最終話だけは作画安定することがあるのだが、今回に関しては最終話に聖剣でのバトルシーンもあり、最終話が一番作画が悪かった。(とはいえ止まっている絵は綺麗だったりするので、崩壊しているというほどではない)
個人的にこの作品の嫌なところは自己顕示欲が強い所。一話から『アイリーンが悪役にされる→魔王さまが助けてくれる』という構図が何度も繰り返されてきた。ここまではいいのだがこの作品では何故か常に観衆に囲まれている。「王子様(本作では魔王だが)に助けられたい」だけでは飽き足らず「その姿を他の者に魅せつけたい」という飽くなき欲求を感じる。これは良くない。
本人たちは無意識のうちにやっている事なのだろうが電車の中でイチャつく〇〇カップルに通じるものがある。
まとめ
最近放送される多くのなろう系作品を見てきてわかってきたことだが、私は”なろう系”ではなくて”転生物”が苦手なようだ。今自分が生きている世界よりも、一つ上の次元から転生してきた主人公は多くが世界を俯瞰して、客観視した余裕がある。これが嫌いなのだ。泥臭く必死になるような描写がとにかく少ない、転生だが何だか知らないが今のお前の人生だぞと。もっと必死になれよ!と。
ラストパートのアイリーンのナレーションで片っ端から片づけていくスピード感は申し訳ないけど草生えた。この作品は短いクールの中でやっていることが多すぎるんだよな多分。原作を知らないけど。アニメ化する内容半分にして、もっと時間をかけないと「あ、それで解決するんだ」という本来重大なはずの問題が軽く扱われているように感じて登場人物がバカみたいに見えてしまう。あ、2クールでやってくれとは一言も言って無いです。
兎にも角にもアニメの出来が悪い。絵が良くならない事には見る気になれないのが新規勢の性なので、次回このような作品があった時は最低限綺麗な絵柄で、描く物語は絞って放送されることを祈るのみだ。