公式サイト:異世界おじさん
【1~2話感想・評価】期待度★★★☆☆
[結論]タイトルの第一印象悪いけど、これ以上のタイトルがねぇぞ
異世界物は苦手だったがこの作品については全然大丈夫だった。簡単に表現すると”鈍感系主人公のコメディ作品”と表現してよい。すごい能力をもった鈍感系主人公が女の子を周囲に連れて無双する。というベーシックな土台ではあるが、まず汚いおっさんというルックスをスパイスに加えることによって雰囲気をガラッと変えている。イケメンだったらチヤホヤされるだけの主人公だが、本作はボロクソな目にあって、そのあとちょっと人から認められるプロセスを楽しめる。ちなみにCOVID-19の影響で秋アニメへの移動が決まっている。
[HighLight]
まずおじさんが、おじさんなのが結構いい。イケメンに生まれ変わるのではなくおっさんのまま異世界に行く。そのせいでオーク扱いされる。でも結果的にはヒロインにも村人にも認められる。”おっさんのまま異世界にいく”という発想と意気込みを熱く評価したい。それで売れちゃうんだから凄い。本作の評価は主人公?の”おじさん”が好きになれるかどうかにかかっている。
この作者は書きたいことを書いているだけなのかもしれないが、”誰のために”書いているかが結果的にうまくハマっている。要するに”異世界に行く妄想がしたいおじさん”をターゲットにしているため、主人公はおじさんだし、おじさんの趣味は私よりも10年ほど上の世代の内容となっている。作者と同年代に非常に刺さる仕上がりになっているのが本作の魅力だ。おじさんである作者がおじさんを異世界に送る作品を書き、おじさんが読む。この世にはおじさんしかいない。
さらにうまいのは主人公?たかふみの存在だ。おじさんじゃない若年層の視聴者には”たかふみ”という立場を用意し、おじさんの過去の活躍を一緒に見て、若い視聴者のリアクションをこの”たかふみ”が代わりにリアクションしてくれる仕組みだ。
たかふみの横に置いている藤宮もヒロインという位置づけよりも、女性視聴者の立ち位置として配置していたのかもしれない。狙ってやっているならこの作者相当の手練れである。
もちろん作画にも触れておく、無職転生を見た時と同じ感想だがシンプルにレベルがたけぇ。その上でちょっと独特の塗りも、万人に好まれる仕上がりになっている。ヒロインは旧時代の王道を行くツンデレヒロイン。完全におじさん作者の趣味だが、全世代に好かれるデザインだ。
[LowLight]
異世界物は憎悪の対象のように叩く私でもここまで良い評価を出しているため、相当人気がありそうなこの作品だが、一応2点不安要素を挙げておく。
1点目、長所と短所は常に裏表だが、やはりこのおじさんを好きになれるかだろう。このおじさんに飛びつくのはちょっと変わり種が見たいユーザであり、超新規ユーザはまずここから入ることは無いように思う。要するに好みは別れる。2点目は作者のギャグの素養とそれをスタッフが表現できるかだ。かいつまんで言うと「同じノリのギャグしかできないんじゃないか?」という点である。ジェネレーションギャップとおじさんへの理不尽という、人を傷つけない笑いだし、ワンパターンでもまぁ一生見てられるか。杞憂かな多分。
結果的に日常アニメなので最終話に向かって気になる内容、期待度は一切ない。ただコロナで製作が止まった後も同じクォリティで放送されることを祈るのみだ。冒頭にも言ったが、秋アニメに移行となったため8話以降が見れるのは11/25以降となる。Amazon Primeにあるので今のうちに1話から見返しておこう。
【最終話感想・評価】
ongoing