【2022秋アニメ】アークナイツ 黎明前奏【最終話感想・評価】

公式サイト:TVアニメ『アークナイツ 黎明前奏』公式サイト (arknights-anime.jp)

【最終話感想・評価】 点数:72

はじめに

携帯ゲームのアニメ化である本作「アークナイツ」。携帯ゲームというと聞こえは悪いが、超ハイクォリティ映像・音声で送られる本作には地味に期待を寄せていた。期待通りなかなか良かったので文字数多めで感想を残したい。とはいえ中盤らへんはそこまで熱中出来てなかったんですけどね、、、

この作品のような、正解はあったのか・どうすれば良かったのかをテーマとした作品は私の好みというのもあってなかなか高得点にしている。(※本ブログで72点は高い方です)

1話時点での感想はこちら:

1話感想でリユニオンとロドス思いっきり呼び間違えてる所ありました、失礼しました。

最終話周辺概要

最終話の少し手前の7話の内容と最終話である8話の内容を少し(ガッツリ)見ていこう。

チェルノボーグの名高い科学者の娘ミーシャは重要な情報を持っていないかもしれないし、持っているかもしれない。物語の後半はこの少女の行方を中心に進んでいく。

松田颯水演じる民間人?のミーシャ

ミーシャはレユニオンに連れ去られ、そこでスカルシュレッダーと出会う。スカルシュレッダーは感染者として連れ去られ、離れ離れになってしまっていた実の弟だったことが分かる。

弟の感動の再会を果たすミーシャ。しかし弟はリユニオンのスカルシュレッダーとして生きることに決めている

弟はレユニオンとして戦う覚悟をきめていた。ロドスやアーミヤの考え方を聞いて、見て、知っているミーシャは彼と話すうちにロドスとレユニオンどちらが正しいか考えるようになっていく。

主人公らロドスはミーシャを救助するためにレユニオンの隠れ家を強襲する。危機を感じたスカルシュレッダーはWからロドスの指揮官がドクターである事を聞き、ドクターをターゲットとする。

竹達彩奈演じるWから敵の中心はドクターだと聞くスカルシュレッダー

スカルシュレッダーは決死の覚悟で自爆という形でドクターを殺そうとするが、アーミヤがギリギリで阻止をする。これは不殺を基本としてきたロドス、そのリーダーがミーシャの実の弟を殺してしまった事を意味していた。(この時点ではアーミヤはスカルシュレッダーがミーシャの弟は知らないわけだが)

ここら辺の映像・演出は普通に素晴らしい

アーミヤの一撃が弟を貫いたところをミーシャが目撃するシーンで7話が終了する。

最終話冒頭ではふさぎ込むアーミヤとドクターの会話から始まる。ドクターはアーミヤの行動で命が救われたとアーミヤに言葉を贈る。

感染者を救うと言いながら、人を傷つける自分を見せたくなかったと話すアーミヤ。

そこにWが現れ、通話機をロドスに渡しに来る。どうやらリユニオンがロドスと話したいらしい。もちろんアーミヤが受け取ると、通話の相手はリユニオンにいるミーシャだった。

竹達演じるW。可愛い、悪いやつだけど。

アーミヤはこの通話でスカルシュレッダーがミーシャの弟だったことを知る。さらにミーシャは自分が今まで感染者や戦いから目をそらしてきたと話し、自分はリユニオンとして生きると話す。「立場を変えれば解決する問題じゃない」という趣旨でアーミヤは説得するが、聞き入れてもらえなかった。

遺体の横で話すミーシャ

2度目の抗争が行われ、ロドスの優勢で戦場が進む。そこにスカルシュレッダーが復活しリユニオンの指揮は爆上がりする。リユニオンのメンバーから相当慕われていたようだ。

画像にはないがこの後、スカルシュレッダーは撤退の信煙弾を味方に渡している。戦いを避けたい優しいミーシャの心は残しているようだった。

スカルシュレッダー(ミーシャ)と少し話すアーミヤ。言葉数は少なく銃口を向けるスカルシュレッダーに攻撃を放てないアーミヤ。「人形の作り方を教えてあげられなくてごめんね」とスカルシュレッダーが口にしたところで龍門近衛局のチェンが非情な覚悟でスカルシュレッダーを殺す。

物語の最後はドクターとアーミヤが暗い場所で会話するシーン。自分の生き方に自信が持てないアーミヤと話すドクター。最後は立ち上がり二人が歩き出すシーンで終わる。

ちなみに1話では同じような暗い所に入って行くシーンで終わっている。この1クール8話が暗い内容になるということを示唆した演出ですよね?前半戦の記事で使った画像だったからちゃんと気づきましたよ?

暗い所からやってきて暗い所へ帰ってゆくだけ、amazarashi定期。

HighLight

話の作りや展開が普通に良い。ロドスは感染者と非感染者が共に生きる道を探している。それに対してリユニオンは感染者が生きる場所を求めている。その上で、自分たちを排除する非感染者やそれに準じる思想を持つものは排除するスタンスだ。その結果、同じロドスとリユニオンの感染者同士で争いが起きている。この構図はありきたりかもしれないが、答えのない問題で考えさせる良い内容だった。

終盤のアーミヤ周辺の話はとびっきり暗いがめちゃくちゃ良かった。ここだけで点数をつけて良いならもっと高い点数にしていたと思う。展開や思想についてここで議論する気はない、考えさせる内容でとても良かったと伝えたい。

ロドスとリユニオンの考え方をぶつけ合う兄弟。抽象的に捉えればかなり深いテーマだ。

実際は実現不可能な理想を、実現すると掲げるリユニオンの考えににスラムの人々はなびいている、ロドスは出来ないことは言わない、現実的な話を持っている。なんだか政党の対立のような話だ。(独り言)

絵柄はかなり綺麗で女の子も可愛い。ゲーム内で人気があるのだろう女の子たちも多少は主張はあるものの、控えめでとにかく丁度いい。個人的にタケタツスキーな私はちょいちょい出てくる悪役Wが可愛い・悪い奴で魅力的だった。他の女の子も可愛いんだけどね。竹達は悪い女の子が良く似合う。

作画がすげえんだよ、キレーなんだよ。

私はヘッドホンで視聴することが多いが、この作品特有の5.1chサラウンドの音声もすごかったぞ。

LowLight

原作組と新規組で見え方が違ってくるだろう。本ブログでは当然、新規組目線で感想を書く。

とにかく暗い世界観は私個人は好きだが、作品を知らない視聴者が食いつきやすいかというと疑問だ。
明るいポップな雰囲気からダークな展開になるような”振り幅”が無いため、「暗い空気でなにやっているかよくわからない」というのがこの作品に初めて触れる視聴者に想定される第一印象だ。

1話からリユニオン兵は仮面をしていたり、セリフが少ない事、ロドスの面々がリユニオンをボロクソ言っているので視聴者には『悪の組織』という印象が強い。しかし、ミーシャがリユニオンにつかまり、実の弟が現れたり陽気なリユニオン兵が映像で描かれて初めて『リユニオンも人間たちなんだ』という印象になる。

気さくで優しいリユニオンのお兄さん。
たった20秒の演出だが、これだけでこの後リユニオンが戦いで負けている姿の印象がグッと変わるはずだ。いい作りだと思う。

これをもっと早くやっていたら新規組にも「なぜ感染者同士で争わないといけないんだ!」というメンタルモデル(見る姿勢)を作りやすかったはずだ。

まとめ

8話で完結は気持ち短い感じがするが、説明も多く内容目線でもかなり丁寧に作っている事は伝わった。原作組の評価は知る所ではないが、この内容で文句を言う人は少ないのではないだろうか。原作組が満足していればアニメ化は成功と言って良い。

テーマも題材も展開も良かったのだが、8話というのが実際苦しい。なぜアーミヤがリーダなのか。アーミヤはなぜあんなにドクターに心酔しているのか私にはよくわからなかった。

不安定だけどいい主人公でしたよ、アーミヤ。チェンみたいに強い考えの人が主人公より良かったかと。

とはいえこのキャラクターはこんな能力で~とかゲーム内でネタにされている描写をいれて~みたいな新規勢を置き去りにするネタは少なかったのでそこは感謝を伝えたい。この作品自体がネットで圧倒的に話題になることはなさそうだが、スタッフさんの良さは大変伝わった。

何かがアニメ化されたときは「アークナイツのスタッフだよ」と言われれば期待を寄せるだろう。黎明前奏ってあるんですけど、続編あるんですかね?私は前向きに見ますよ。

8話にしては普通に良かったと思いますよ?お疲れ様でした。
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