【2022夏アニメ】よふかしのうた【最終話感想・評価】

公式サイト:よふかしのうた

【最終話感想・評価】点数:76

ノイタミナが送り出したコトヤマ氏の漫画「よふかしのうた」。作者がCreepyNutsの古参ファンである事がこの作品を書くきっかけになったらしい。偶然名前が一致したからコラボしたのかと思ってましたすいません。中身の方はと言うと、前半の感想では化物語が近いイメージと話していたが、演出やアングルなど相当シャフトを意識した仕上がりになっている。公式ページを覗けばわかるが、監督は以下のように述べている。「夜を魅力的に描くことを心掛けています。親に隠れてこっそり夜の街に繰り出したドキドキ感が伝わると嬉しいです」。一応前半の感想はこちらから

いや伝わりました、完全に伝わりました。雰囲気が良いアニメだっただけに上手く言語化できそうに無い、思わず深夜徘徊したくなるこのアニメの感想を手短にまとめる。

夜感が最高の本作品。アマプラからどうぞ。

まずはいつも通り話のおさらいから。終盤に向けて物語が動いたのは11話。深夜に中学校に侵入し、そこで極限状態の吸血鬼と出会う。その場に居た探偵?がその吸血鬼を弔うことでその場は終息する。しかしその吸血鬼は10年間吸血鬼としての食事をしたことがなく、最後まで人間として死んで行った。主人公は吸血鬼について何も知らないことを自覚し、”吸血鬼になりたい”という漠然とした願いも、それで正しいのか疑問を持つことになる。

吸血鬼になってひどい目にあった人もいる。

探偵に吸血鬼の殺す方法や主人公の血が旨いと言われる理由、探偵が何をどこまで知っているかを聞くために探偵に接触する。「吸血鬼は人を不幸にしかしない」と話す探偵。主人公は「吸血鬼達は人間に敬意を払うことができるし、人の悩みを理解できる心を持っている」と話す。結局探偵から有益な情報は聞き出せずに終わってしまう。

普通に怖い大人の探偵さん、いい演技。

一方ナズナちゃんの方は主人公が吸血鬼にならないかもしれないという事を別の吸血鬼たちに伝える。吸血鬼を知りながら吸血鬼にならない主人公は危険な存在であることが争点となり、いざこざが発生する。事の顛末としてはナズナちゃんが主人公を惚れさせて、ちゃんと吸血鬼にするという彼女ら曰く”恋バナ”ということで収束する。

ドアップでサボるシャフトを思い出す。

主人公は主人公でナズナちゃんとのよふかしが楽しかったことを伝え、好きに成れるように頑張ると話して終了。

ノイタミナということで十分なクォリティが担保されており、ついつい埋めたくなってしまがちな”間”の取り方が良く、遊ぶ余地を残した夜の静けさが良く表現されていたように思う。

周囲を取り巻く登場人物達も”見た瞬間にどういう人かわかっちゃう系”の登場人物ではなく。話したり悩みを聞いたり聞いてもらう中、でこういう人なんだなと徐々に理解できる感じが中々リアルだった。きっと人付き合いの多い作者なのだろう。至上命題を掲げているわけでは無いので人物の掘り下げをする尺に余裕があり、作者自身の人物描写の上手さと綺麗にマッチしていた。

個性豊かな吸血鬼達、結果みんな良かったよねぇ。
まぁ私は10話のメイド回が一番すきでしたけどね!!!(素直)

雨宮ファンの私だがナズナちゃんは可愛いけどそこまでピンと来ず、主人公も良かったが特定のキャラクターよりも作品全体の夜感が一番良かったと思う。どっかのアニメでは朝は青いと表現していたり、このアニメでは夜を紫で表現していたりと、アニメーションの自由度の高さを感じることができた。

ネオンのような紫を描く本作品。夜がちょっとやらしく見える思春期目線なのだろう。

作品全体を通してオススメできる作品だ。アマプラにあるので夜に一人で暗くして視聴することをオススメする。主人公を通して「男女は深い所では分かり合えない」とか「人間関係を休みたくなった」のような、作者が今か昔か感じたのであろう、リアルな思想が伝わってきて良かったように思う。だがしかしの作者だと思ってちょっと舐めててすいませんでした。

お疲れさまでした。

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