公式サイト:TVアニメ「異世界おじさん」公式サイト (isekaiojisan.com)
【最終話感想・評価】 点数80
はじめに
おっせぇよお前、何やってたんだよ!放送延期しすぎて桜が咲いちまっているんだが!?
最終話まで見ても、この作品に対する評価する場所は変わらなかった。おじさんである作者がおじさんを異世界に送る作品を書き、おじさんが読む。という構図に加えて、たかふみと藤宮という疑似視聴者(若年層向け)をセットする。何回でも言うがこの構成は、お見事と言う他無い。
異世界物・転生物に対して懐疑的な姿勢を未だ保っている私だが、この作品に関しては文句なしに”面白い”と言える。「異世界物・転生物で一番好きな作品は?」と聞かれれば秒でこの作品だと答えるだろう。もはや対等な対抗馬が存在しない。
1話感想では、”おじさんのまま異世界に行かせる意気込みを評価したい”、”おじさんを好きになれるかにかかっている”と表現していたわけだが、そこまで的外れでは無かったように思う。全編通して見守ってみれば、このおじさんを嫌いになる人はそうそう居ないだろう。
そこまで的外れじゃなった一話感想はこちら:
最終話概要
間があいてしまったから細かい経緯は見逃して欲しい。さらっと最終話をおさらいしておこう。
最終話は「荒ぶる神の力」と融合した魔炎竜を倒すシーンから始まる。おじさんの目論見だったようだが倒す方法についてはノープランだったようだ。(結果的に一人で倒すには4か月かかる見込みだったとか)
魔炎竜を倒すことが出来る武器”凍神剣”の使い手メイベルはご覧の有様。以降はメイベルの顔芸が続く。可愛い。
ツンデレさんとおじさんは凍神剣無しで魔炎竜を倒したことがあるらしく、勝算があるらしい。ブレスは耐える、操られる技は装飾品の効果で無効化できるらしい。ユーティリティの高いツンデレさんだ。
本格的な異世界ファンタジーをついに見ることが出来て感動するたかふみ。とそれをジト目で見つめる藤宮さん。可愛い。
戦闘描写については私の力では表現が追い付かないので割愛する。それぞれが助け合って、最後はエクスカリバー!!!って感じで一刀両断だ。
ここでまだAパート終了程度だ。その後はメイベルが余計な事言ってツンデレさんが嫉妬していたりする。
ちょっと真面目な話が差し込まれる。先ほどの強大な力のぶつかり合いで空間の歪が発生していた事をおじさんは見逃さなかった。先ほど回収した力をなんやかんやしてより強大な力をぶつける事でさらに大きな歪を作る。そして日本に帰るという算段のようだ。
最後は現実世界の3人が一緒にラーメンを食べて、総集編のような回想や来期を思わせる内容が流れて最終話が終了する。
HighLight
本編と疑似視聴者視点を分ける、いわば相席食堂スタイルは、視聴者に没入感を与える一助をしている。たかふみと藤宮さんが感想を述べ、質問する。それにおじさんが答えて、彼らが次の展開を期待している姿を見せて本編にもどる。
例えるなら、VTRを見ているスタジオの芸能人と同じ構成を保っているわけだ。前述したやり取りのおかげで、視聴者が「何が起きているかわからない」「どこが笑いどころかわからない」となってしまい、置いてきぼりになる可能性を排除している。
ここで触れておきたい、”アニメ異世界おじさんの良さ”はあと二つある。
1つ目がレガシーな主人公の良さを前面に押し出している事だ。おじさんはいわば”鈍感系主人公”の完成形である。真面目で熱く、女性が自身に抱く感情に鈍感。年頃のイケメン主人公が鈍感設定となると「そんなやつおれへんやろ」視聴者の中の大木こだま師匠が騒ぎ始めるわけだが、この作品では謎の納得感がある。だってオーク顔のおじさんなんだもん。
ツンデレさん、メイベル、アリシアに対して圧巻の”鈍感さ”を見せるおじさんは様々な笑いを提供してくれた。孫悟空をはじめ、その昔少年漫画にたくさんいた「鈍感系主人公の良さってこういうのだよね」を思い出させてくれたように思う。さすがおじさん、前時代の生き物だよおじさん。
2つ目はアニメーションクオリティの高さだ。延期こそあったものの、作画、戦闘描写、絵柄のオリジナリティが年間単位で見ても屈指の出来の良さだったことは言うまでもない。これが無ければ成立しなかった人気だろう。
LowLight
最終話まで見てしまえば、良くなかった所などない。新規視聴者が本当におもしろいのか?と疑わせる第一印象の悪さだけが短所として残り続ける。もはやそこが最高にクレイジーで良い所なのだが。
まとめ
”ジャンル:異世界転生アニメ”の新たな王者の誕生を素直に祝福したい。なんか内容がライトな気がするが、緊張感のあるシーンもかなりポップにしてくれるこの作品準拠な記事になっているから良い事とする。最終話は顔芸の嵐だったように感じたけど、それ以前もこんな感じだったか?
なんでこんなコンセプトでGOしようとするんだ??と多くの人から指をさされる事こそがオリジナリティである事を痛感させられる作品だった。人から批判されるような内容でなければ、行動する事にふさわしくない。と言った所だろうか。
いやー良い作品だったなぁ。2期をやらないわけがないと思いますので座して待つ事とさせていただく所存だ。