公式サイト:TVアニメ「トモダチゲーム」公式サイト (tomodachi-anime.com)
【感想・評価】 点数:76
はじめに
Q.「本当に面白いんですか?」A.「はい、本当に面白かったです。」
別冊少年マガジンで連載されていたらしい漫画原作アニメだ。全然知らなかったが2017年にテレビドラマ及び映画2部作が公開されていたらしい。ただのB級アニメかと思っていたらビッグネームじゃないか。最初の期待度は低かったため60点台後半だったが、終わってみれば70点台後半とクールの上位に入るほどの実力者だった。ちょうどいいキャラクターデザインと、普通に先が気になる展開の連続が魅力で貴方もきっと楽しめるはずだ。
物語の概要
主人公の友一は美笠(ミカサ)・沢良宜(サワラギ)・四部(シベ)・心木(ココロギ)の合計5人で行動を共にしていた。突然ですがロッカーに入れてた修学旅行費の200万円が無くなってしまった。もうすでに突っ込みどころが多いが、むしろ清々しい。さっさと本編に入ろうという意気込みを感じた。
どうみてもデスゲームが始まる空間に閉じ込められた5人。そこにコナン君の声をした安っぽいゲームマスターが現れて「5人の中に2000万の借金をしている人がいる」「その借金を一人400万ずつ負担する」という設定が告げられる。そしてゲームクリアすれば借金が返済されていくらしい。
しかし全員の勝利を目指す道のすぐ隣に、自分の借金だけ減らすことが出来る、協調とは程遠い選択肢が巧みに用意されている。ルール難解なので雰囲気だけ掴んで欲しい。第1ゲームはこっくりさんゲーム。少数派の意見を優先させる不思議な仕組みがあるコインを使っている。「1+1は2である」のような簡単な出題に対してどういうわけか”いいえ”にコインが動いてしまい、なかなかクリア出来ない。
このあとはすごろくゲームが2話後半~6話で行われる。ちなみに5人での戦いはここまでだ。ルールがめちゃくちゃ難解で説明だけでこの記事が終わってしまう。なのでここでは割愛する。このフェーズでは5人の中の悪役が発覚する、ついでにその目的も。
完全に犯人が分からないミステリーではなく、早い段階で悪役を視聴者に公表するサスペンス形式で進める事で、主人公と悪役の一騎打ちを見ることが出来る。この構図の方が面白いのはデスノートが証明している。キラを特定しようとするLと正体を隠して目的を遂行する月の戦いの亜種だと思って見て頂きたい。
7話以降は何をするのかと言うと、他グループを交えたかくれんぼを行う。これまたルールは難解なので割愛するが、人数が少ない主人公チームが圧倒的不利、その状況を覆すプロセスを楽しめる。
HighLight
ドラマ化、映画化されるだけのことはあってよく考えられている。展開やルールもそこそこに考えられておりかなり評価が高いが、悪役が発覚してからの悪役・主人公以外の3人のパニックを上手に描いている。
”犯人は誰なのか”を主題にしてしまうとその特定だけが視聴者のフォーカスになってしまう。早々に悪役を公開してしまって、そこから楽しませる展開を描く作者の判断は常人のそれではない。ドラマ化・映画化されるだけのことはある。自分の構成力に自信があるからセオリーから外れても結果を出せるという強者の理論を感じる。
ついつい中身の話がしたくて忘れていたが、絵柄もちょーど良い。激安手抜き作画ではなく、動きは少ないがそこそこの綺麗さがあり、悪そうな女の子も可愛く悪そうな感じが出ていてなかなかちょうどいい。
LowLight
兎にも角にも頭が悪そうなタイトルと導入部分だ。超有名制作会社でもないと第1印象は最悪だ。実際ここまでベタ褒めで進めてきたが、12話を見るとやっぱりB級アニメだったんだなと確信することとなる。一流のB級アニメと二流のA級アニメは点数が互角になる事もあるだろうが、やはり住む世界が違うと感じた。B級アニメはやっていることがやはり下品だ。どれだけ面白くてもB級はB級、これは素材の話だ。
まとめ
結論を言うと見た事が無いのであればAmazonprime videoで見れるので、見たほうがいい。斜に構えた私も荒探しするくらしか楽しみ方が無いと思っていたが、気が付いたら黙って次の展開に期待していたほどだ。文字通り実力で黙らされた。
展開が面白いためネタバレしようか悩んだがやめておいた。こういう作品を見逃さないために1クール網羅的にチェックすることを欠かさないようにしている。何が起きているんだと笑ってしまいそうな画像をいくつか張ってこの記事を締める事とする。
12話の『おいおいまじかよゆとりちゃん!そこは私がやるって言うべきでしょ!!』の勢いめっちゃ好き。多分、日本中の視聴者がテレビの前で同じ勢いで言ってた。