公式サイト:TVアニメ「Buddy Daddies」公式サイト (buddy-animeproject.com)
【1話感想・評価】 点数:64
はじめに
いや、具合悪いなこの作品。
我らがP.A.WORKSが送る『Buddy Daddies』はオリジナルアニメとして放送されている。原案にはニトロプラスの下倉バイオという人物が関わっている。ニトロプラスで聞き覚えのある名前だと思ったら東京24区の原案を作った人物だった。細かい事は何も言うまい。
内容は「バディを組んで殺し屋をしている男二人の元に女の子がやってくる」という内容だ。1話では主要人物の関係と、娘となるミリの登場までが描かれている。スパイファミリーが流行っている直後にこのテーマで良くGOをかけたな、、、
偶然か狙ったのか流行り物に被せに行くような内容である事と、東京24区の実績も相まって私の期待感は0.02mmのうすうすだ。1話の手ごたえもいまいちだった。アニメーションは綺麗だけど。
1話概要
冒頭は世界観の紹介のような話だ。怪しい宝石商を追うバイクの男。
追い詰めたと思ったら実は運転手もバイクの男とグルだった。この二人がバディを組んでいる主人公の一騎(かずき)と零(れい)だ。
悪人から情報を聞き出している最中に保育園から電話がかかってくる。娘が熱を出したので引き取りに来いとの事だった。殺し殺されの仕事をしている中アットホームな電話がかかってくるアンバランスさだ。
舞台は二人がミリを引き取ることになった去年のクリスマスまで遡る。引きこもりの零と家庭的な一騎が描かれる。
一騎は若干チャラい雰囲気もあるが、過去には大切な人がいたようでそれっぽい描写が回想シーンで差し込まれる。
一騎は誰かに報酬の一部を送っているが、受け取ってもらえてはいないようだ。亡くなった奥さんの親族だろうか?
そして映像はパパを探して走り回る少女に少しだけ切り替わる。
主人公の二人はクリスマスにホテルの最上階でパーティをしているターゲットの暗殺に向かう。
サンタに扮してサプライズとして潜入する予定だったが、先ほどの少女とエレベーターで鉢合わせてしまうアクシデントが発生。
構わず任務自体は続行し、勢いとかライブ感もあって主人公の一騎が「俺がパパだ!」と少女の父親を名乗りでる。
ターゲットの殺害は成功し、仕方なく少女を引き取ることに。
少女ミリが持っていた写真を確認すると、今回殺したターゲットが本当の父親だったようだ。そうして3人の奇妙な同居生活が始まる。
HighLight
P.A.WORKSが作っているだけあって絵柄はなかなか綺麗だ。クリスマスの街並みも、少し引いたカメラに映るジオラマのような街並みもきれいに描かれている。殺し屋というだけあってなかなか動きのあるアクションシーンも多く、これも高いクォリティだった。
LowLight
奇妙な3人の生活が始まる、という内容も1話の掴みとしてはそこそこだったのだが、どうしてもスパイファミリーと比較してしまう。1話の出来だけで比較しても100-0でスパイファミリーに軍配が上がるので勝負にすらなっていない。
イケメン二人のバディを追っかけて、娘に振り回される二人の様子を見て楽しむ!というスタンスが取りやすい女性の方が楽しめる作品なのかもしれない。この主人公が女性ペアだったら私も多少見やすかったかもしれない。多分女性向け作品だこれ。タイバニくらいの感覚で見れれば良いのだが、、、
まとめ
女性作者が出産や子育てをかなり神格化して描くことは多々あるが、あっちの方が「あ、この作者は実際に子供と関わる事があってその重さを感じたんだろうな」と私個人は好感が持てる。そこと比較すると本作のような”親代わり系”の作品はちょっと何をされても「軽いな」という印象しか残らない。
コメディ路線で行けばスパイファミリーに惨敗し、感動路線で行けば偽物親子の感動ポルノの域を出ないため期待できない。本当の父親はさっきバディが射殺してしまったので練りに練られたストーリーの線も弱そうで心配だ。何より東京24区という実績が重くのしかかる。一度どうしようもないレベルのつまらない作品を作ってしまうと、こうなってしまうのが怖い所だ。
かなり疑いの目をもって本作と向き合っている私だが、P.A.WORKSがそれをひっくり返せるか注目したい。ちなみに主人公の一騎はこの裏稼業のせいで身ごもっていた妻を亡くしているそうだ。その過去があってなお裏稼業をしていることが人として信じられないのだが、視聴者を納得させる内容は出てきそうですか?