【2023冬アニメ】ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかIV【最終話(深章・厄災編22話)感想・評価】

公式サイト:ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかIV 新章 迷宮篇

【最終話感想・評価】 点数:71

【総評】前半はいつものダンまち。後半は私たちが見たかったダンまち。ダンまち史上最高傑作

はじめに

まず、私はこの作品に謝らなければなりません。過去の記事では過去の視聴感から、あまりにも期待感を低く設定し、”この作品のファンをリアルで見た事が無い”と失礼な発言をしておりました。しかし、今回放送した深層編は、ダンまち史上最高傑作ともいえる出来だったので若干ファンになりました、若干。でもまだ、ダンまちファンをリアルでは見た事がありません。

事実上の分割2クールだったので1話感想ではなく迷宮編の最終話感想はこちら:

まずこの深層編を語るには前半8話と後半3話を分けて語る必要がある。前半部分は「視聴者に怒られるまで同じ内容を毎週放送しているのか?」と地上波ジャックを疑う内容。後半は、その前半が嘘のように感じるほど良かった。

作品全体の話をすると、深層での映像は全編通してモノクロな描写が続いており、深層ならではのダークで無機質な雰囲気が描かれていた。このモノクロな描写の良い所として、8話のリューさんのオーラやファイアボルトの色彩が際立ち、強弱のある映像を作ることに貢献していた。

モノクロっぽいというか彩度が低いというか(語彙不足)良くある手法ではあるが、これを深層編という位置付けに合わせて全編通して使ったのは他の作品では見た事が無い。

HighLight・LowLightで思いは書かせてもらい、ここでは端的に「ダンまち史上一番面白かった」という事だけ先に伝えておきたい。

正しくは”深章・厄災編”なのだが、変換がめんどくさいので深層編とさせて頂く。

最終話(深章・厄災編22話)概要

最終話をさらっとおさらいしておこう。

深層での苦難を乗り越え、お互いのピンチをお互いが支え続けた二人は満身創痍だった。リューさんは深層という絶望的な状況でも、ベル君の腕に抱かれて眠れる幸せを噛み締めていた。(これが11話ラストシーン)

『何も成し遂げられなかった最後がこんなにも愛しい』

ベル君は”リューさんはよくやった、自分で何とかする”という意思のもと単独でジャガーノートの撃破に向かう。リューさんは夢の中で亡くなったアストレアファミリアの面々と三途の川の途中で話をすることになる。

単独でジャガーノートに立ち向かうベル君。
三途の川の向こうにいるアストレアファミリアの面々

アストレアファミリアの面々からは「まだやるべきことがあるだろう?」「こっちには来るな」というメッセージが伝えられ、アリーゼからは「お前は正義を貫いた」と言われる。これはきっと『自分は正義を間違えた』と話すリューさんにはすごく響くメッセージだったのだろう。

リューの正義を信じてくれているアリーゼ。仲間がかけてくれる言葉はもちろん優しいものだった。
今の私たちを死んだ仲間に誇れるかな・・・って感じの良いシーンでした。(©進撃の巨人)

そうしてベル君とリューさんのジャガーノート3戦目が始まる。戦闘描写の方はJCstaff渾身のクオリティで送られ、ロックマンX4で見た事があるリューさんの魔法とベル君の新技で撃退に成功する。ベル君ファイアボルト以外も出来たんですね。

出番の多かったジャガーノートさんもここで離脱。

ついにジャガーノートを撃墜した二人は3期?でメインになっていたウィーネに助けられ、ファミリアの面々と合流を果たす。

リューさんのは3日ほど寝込んだ後に目が覚めたようだ。彼女は”ベル君も無事”という話を聞くやいなや走り出し、元気そうなベル君を見て安堵する。ついでにマッサージ店もびっくりな薄着姿だったことを自覚し、ラッキースケベベル君が内田真礼と水瀬いのりにひっぱたかれる。

あまりにも分かりやすい5コマ漫画。

最後は天気のいい日に退院した二人は幸せなデートをして終了。リューさんがもうベル君にベタ惚れなのでゴリゴリのラブロマンスを感じる。Is this Japanese “深層に出会いを求めるのは間違っているだろうか”?

ダンジョンの英雄疾風から恋する乙女にクラスチェンジしたリューさん。もうヒロインこの人で良くないか?

ついでにリューさんは殺人犯なので出頭でもするのかと思ったが、死んだことになっているらしい。今後ひっそりと過ごすのかどうするのかは分からないが、ムショ行きでは無いそうだ。

HighLight

普通に面白いと感心したのは3月にもなってしまった20話の放送。ルドラファミリアとアストレアファミリアの戦いが描かれ、ジャガーノートが大暴れする映像が流れたあの回だ。本編よりも絶望的な回想シーンは記憶に残ったと言って良い。

ここの回想編は見せ場でもあるので、しっかり描写されている感じでしたね。

ついでに、殺人事件の犯人は絶対にリューさんじゃないと思っていたが、本当に彼女が犯人だった。回想シーンの後に考えれば、「そりゃ復讐するか」という感じだが正義の塊だったリューさんの意外な過去には素直に驚いた。だからこそ彼女の中に葛藤があり、良いキャラになったわけだが。

アストレアファミリアから正義を託された身でありながら、その時の激情に身を委ねて復讐してしまった姿もリューさんであり、その一方でベル君達冒険者を助けた英雄の姿もリューさんである。そんな矛盾を抱えたキャラクターだった。要するにキャラクターコンセプトが良い。ダンまちの中で一番良いキャラクターなんじゃないか?リューさん。

終盤の薄着マント姿カッコいいんだよなぁ、長く見た事もあって大分好きになったキャラクターだ。

過去のダンまちは見ていると「どうせご都合主義でみんな助かるんでしょ?」と緊張感が欠如してしまう所に問題があり、かつ登場人物が多く物語のフォーカスが合わない。なので私はつまらないと感じていた。

今回の深層編の後半では厳しい環境や凄惨な過去、ジャガーノート相手ではかなり緊張感があり、ベル君とリューさんに的が絞られていたので今回だけは良かった。そういう意味で最高傑作なのでは?と思っている。

やっとまともなダンジョンファンタジーになったような気が、、、

やはり期待を裏切ってくれる内容は面白い。はいはい予想通りですって内容が去年の迷宮編まで続いた本作だが、初めて予想を裏切られて面白いと感じだ。

皆・・・ここまで見た甲斐があったな・・・

LowLight

死んだ死んだ詐欺もいい加減にせぇ。

前半部分のアンフィスバエナ戦では何度も絶望的な状況に陥り、これは流石に助からないだろう、、、という描写の後でも誰も死んでない。絶対に死ぬだろうという射角でビームを食らった春姫も死んでない。こういう死んだ死んだ詐欺ばっかりやってるから、ピンチなシーンでも視聴者の緊張感がなくなってしまうわけだ。「来週に引っ張ってるけどどうせ生きてるんでしょう?」って感じだ。

ミコト・春姫 生きとったんかワレ

深層の中でも最もやばいらしいコロシアムエリアでリューさんが自己犠牲により取り残される。
そして絶対にこれは死んだだろうという所からベル君が救助に来る。どんなに絶望的な状況でも助けに来るのが英雄の素質なのだろうか。これがベル君、これこそがだんまち。

死んでも助けに来るのがベル君なんだなぁ。

しかし、これが良いかどうかはまた別問題。簡単に登場人物を殺す作品はどうかと思うし、刺激だけ大きな作品は好みではない。でもさすがにだんまちの『こいつ死ぬで死ぬで詐欺』はそろそろ一部視聴者に怒られるんじゃないだろうか?視聴者の顔が浜田になっていた時間は長い。

まとめ

後半部分のベル君とリューさんの冒険・共闘はダンまちで私が見たかったものであり、SAO等でも見たかった緊張感のある正統派ダンジョン攻略(隣のヒロインも可愛い)だった。

どんどん恋する乙女になっていくリューさん。

繰り返すが前半部分は犯罪級の退屈さであり、アンフィスバエナとの戦闘は『長い』以外の感想が無い。ついでにネガティブ先輩であるカサンドラは何回ひっぱたきたくなったかわからない。こんなやつ職場にいたら最悪だ。

犯罪級の長さ強さを誇るアンフィスバエナ、二度と面を見たくない。

しかしながら、「これがジャパニーズエンドレスエイトですか?」と言いたくなる前半部分も後半に繋げるための”タメ”として捉えれば奇跡のかみ合いを見せていたとも言える。

長い期間ため込んで、「まだかまだか」と思わせてからやっと物語が動く1話。この爽快感。サウナ後の水風呂か何かか?「エンドレスエイトみたいな作品が見たい」という友人には”エンドレスアンフィスバエナ&深層の厳しさ”をオススメしてはいかがだろうか。きっと満足していただけるはずだ。

エンドレスエイトが見たいとか言う友人は話しかけないで欲しいに尽きるが。つーかやっぱクソ可愛いなコイツ。

良い所悪い所が入り混じった1クールだったわけだが、私の満足感は高い。後半が良ければ点数上げがちなのが私の評価あるあるだ。とはいえ「エンドレスアンフィスバエナをもう一回1周して来い」と言われたら裸足どころかフルチンで逃げ出す。

深夜アニメとしては前人未到の6期・7期が見えてきたこの作品。番外編も一杯あるようなので、SAOと並べる長寿作品として応援をしていきたい。

ベル君の活躍に乞うご期待。それにしてもすっげぇ長寿アニメになったなぁ。ファン全員30オーバー説もある。
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