公式サイト:TVアニメ『4人はそれぞれウソをつく』公式サイト (4uso-anime.com)
【最終話感想・評価】 点数:68
はじめに
本作『4人はそれぞれウソをつく』は数冊程度しか単行本が出ていないにも関わらず、アニメ化にこぎつけた作品だ。内容を見て「これはアニメ化したいと思うわけだぜ」という感想にはならなかった。評価の方はちょっと中の中の下と言った感じだが、これはギャグアニメ偏差値で言えば50を超えているくらいの成績だ。登場人物が4人でほぼ固定されていた事が最大の長所であり、4人でネタを提供し続けたことが評価できるポイントだ。
期待度★1にしていてすいませんでした。”ギャグアニメは第一印象が悪いけど見続ければ伸びてくる”この定説を掲げながら第一印象が悪すぎて低めの設定をしたことを冒頭で謝罪したい。そこまで悪い作品では無かったことを記事にすることで贖罪とする所存だ。一話感想では翼に疑問を呈していたが、良いキャラだったね。
女装キャラに疑問を呈していた1話感想はこちら:
最終話概要
最終話はついに進級試験が迫ってきてみんなで泊りで勉強をすることから始まる。その中でも千代さんは極端に勉強が出来ないようで、リッカ大佐が千代さんのIQをあげるように細工をする。
しかし千代さんのIQを高くした事が思わぬ展開につながる。千代さんが翼が男であり、声変わりでのどの調子が悪いことを見破ったり、関根が全てを知っている事を指摘したり、リッカ大佐が宇宙人であり、そろそろ帰らないといけない事を皆に告げる。
この後大佐が千代さんのIQを元に戻して、ついでに記憶を消すことで何とかなる。しかし他の3人は「いつかは秘密を打ち明けないといけない」という意識が根付く。
進級試験に合格したのは3人でそこにリッカ大佐の名前は無かった。大佐は自分が宇宙人であり、宇宙に帰ると言い始める。
大佐を止めようと話している中で、誰もが嘘をついているという話になり翼は自分が本当は剛と言う名前で男であることを打ち明ける。リアクションの薄い関根と千代さん。
千代さんの超人的なジャンプや関根のサイキックで大佐の元にたどり着く。事実上の忍者宣言、サイキッカー宣言だったのでみんなウソを打ち明けたことになる。
リッカに本当はどうしたいのか?を聞く3人。リッカ大佐は「みんなと卒業したい」と打ち明け地球に戻ることに。
大気圏に入ったあと宇宙船が爆発し、空中に投げ出される4人。リッカ大佐の喝ッ!で時間がまき戻る演出のEDに入る。このシーンを想定してEDの最初を懐中時計にしていたのだろうか。
最後は進級試験前で雑談する関根と翼の姿が描かれて放送終了だ。
HighLight
4人で登場人物を固定したことはあまりにも偉い判断だった。結果として単純接触効果※もあり4人とも結構好きに成れた。内訳で言うとリッカ大佐が15pt 翼が15pt 千代さんが10pt 関根が30ptと言う感じだった。ここでは佐倉綾音演じる関根について取り上げようと思う。
※単純接触効果・・・あんまり好きじゃなかったものが何回も見てるうちに好きになるアレ。
同性の心の中を読めるという性質から、かなりテクニカルな位置であり重要なポジショニングを担っていた。作中のツッコミの70%を担い(残り30%は翼)ボケも行ける上に真面目路線でもヒロインのポジションにいられる。あまりにも万能なキャラクターだ、あやねるの隠れハマリ役になるだろう。
他の3人は明確に美少女扱いされるのだが、関根は露骨にその扱いが無い。
眼鏡を外せば超能力が暴走する設定から、関根が元々居た研究機関に連れ戻される回がある。この回では乙女ゲームに勤しむ関根が描かれるが、閉じ込められている状況に絶望していた。関根の友人の3人は研究機関の男に記憶を消されていたはずだが、リッカ大佐だけは記憶が消えていなかった。宇宙人には効かなかったようだ。この回は本来の路線ではないが関根が脱出した時には謎の爽快感があった。B級アニメのはずが不思議だねぇ。
LowLight
知名度や看板文句がないため見るきっかけが無い。これはこの作品の弱い所だ。私の様に網羅的にアニメを見る事に時間をBetしている人種なら抑えるだろうが、普通に生活していれば、本作の名前を見かける事すらないはずだ。この作品に触れる事があっても、1話の冒頭を見ただけでは私と同じ第一印象を持つと視聴をやめるはず。
「4人がそれぞれ特殊な設定でそれを隠して生活する」という設定は2005年くらいなら十分にキャッチーな設定として集客出来ていたかもしれないが、現代の水準ではキャッチする力としては弱い。作品が圧倒的に飽和した現代では隠れ名作になる事すら難しいのだろう。
なにしろ過去作を振り返れば20年は退屈しない量の作品が揃っている。過去作に負けずに集客するためには『新しく・流行りの設定』が必要だ。まぁいまではそれが異世界物・転生物なわけだが、、、クリエイターも消費者も今はみんな迷子だ。
まとめ
本ブログの68点という数字は及第点of及第点だ。決して悪い結果では無いことをこの場で念押しをしておきたい。冒頭にも書いたがサブキャラクターや新キャラを次々投入して設定や出オチで笑いを取ろうとしなかったのは好感度が高い。この4人でギャグマンガをすると決めて、この4人でやりきっていたのだ。(千代さんの弟はまぁチョイ役なので)
自分が作品の構想を練ることを想像して見て欲しい、主人公は?周りの仲間は?最終的にこれだ!と送り出した4人を大切にする。その自分のキャラへの愛、一貫性。これは称賛せざるを得ない。実態としては2,3巻程度しか単行本の無い作品なのでまだマンネリが来ていないだけなのかもしれないが、、、
過去のギャグアニメの感想でも言っている事だが、ギャグアニメで天下を取る日は遠い。超名門アニメ会社にもう一度ギャグアニメをやってほしいように思う。この2023年でどんな波を起こしてくれるのかを見てみたい一心だ。