公式サイト:Engage Kiss
【最終話感想・評価】点数:88
前半の感想はこちら:
今季最大の期待を寄せていた2つの内、1つがこの「Engage Kiss」。まず最終話のタイトルのセンスが好きだ、最終話タイトルは「未解決で大団円」。詳細はこの後書くが、色々あって妹を救出し、主人公の記憶は戻り、代償としてヒロイン”キサラ”の記憶がなくなってしまう。町の危険や妹の命の危険など事件性のある状態は、全て解決したと言い切れる。しかし、この戦いのテーマは”世界を巻き込む痴話喧嘩”と言って良い、公式もそう言っている。すべてが解決した上で「主人公はどの女の味方なのか」という彼女達の一番の問題が解決しておらず、未解決と表現されている。最後は主人公の自宅で痴話喧嘩をした挙句家が爆発して終了。仲がよさそうで何よりだ。
他の作品は是非信用して点数を参考にしてほしいが、この作品だけは見逃して欲しい。人生規模で強烈につなこ氏の信者をやってる筆者なので点数はあてにならない。脊髄まで信者性が染みわたっているので色眼鏡無しで評価などできないのだ。とはいえ一般ユーザの方でも満足いただける内容になっていると思う。期待を超えてくるところもあって超高得点だ。何が良かったのか事情を説明させてほしい。話を聞いてくれ。
物語後半ではあまりにいろいろあったのだが、ダレ無い程度に紹介させていただく。妹の封印が解け暴走する妹を取り押さえようと戦う主人公たち。妹は3歳で封印されたが、夢で兄が見た光景を見ることができていたらしい。シャロン曰く、唯一生き残った最愛の兄が、わけのわからない年上女のヒモになっていく自堕落な姿を見て心がゆがんでしまったらしい。12話の中盤であるこの屋上の掛け合いもよかった。
マイルズの時の真面目路線もなかなか良かったが、最終盤のポップな雰囲気で進める路線もめちゃくちゃ良かった。世界の命運を握る戦いの理由すら痴話喧嘩にしてしまう、丸戸氏のシナリオには頭が下がる。無駄にダークな内容や安っぽい破滅思想が入ってくるよりも、個人的にはずっと良かった。この作品の結末の好きなポイントの一つだ。
暴走する妹は軽く最強なのだが、覚醒して気合の入ったキサラの活躍もあって主人公が取り押さえることに成功する。
前半の感想で記憶周りの話をしていたが、結果としてはキサラと悪魔の契約をした際に、キサラが契約上の書類に一文を書き足したことが起因だ。この11話のタイトルが「優しく愚かな嘘」。結末を迎える時には主人公に記憶が戻り、記憶がなくなるのは自分になるように仕込んでおいた、キサラの優しく愚かな契約条件だ。主人公がキサラを丸め込むために用意した分厚い契約書、そこに隠された補足263をキサラは見つけ出し、自分で書き換えちゃったのだ。
視聴者の興味を引く物語の導入部分3話から、中盤の盛り上がりを残すための真犯人特定とその推理。その先にある結末と過去の真実。最後には制作陣がやりたかった壮大な痴話喧嘩と、1クールで極めて高い完成度になっていたと。女の嫉妬がほとんどだったが、主人公と市長のクズ要素など、コメディ要素も内包していてポップな雰囲気を継続してくれた。作品を支えるのは世界最強に可愛いキャラクターデザインと作画班の頑張りだった。OPEDも良い。どれか1つ良ければ評価してあげるのに、すべての方向性で非常に高い結果を残してくれた。
言うまでもなく最高のヒロイン3人、その中のアヤノさんとシャロンの距離感も絶妙だ。冴えヒロのころからこの作者は敵対する女同士の距離感が繊細で素晴らしい。
本作では痴話喧嘩だったが、戦う理由とか頑張る理由とか、一番大事なところが”他愛もない事”ってスタンスの作品が本当に好きなんですよ。結構叩かれてるけどRE:東京グールの悪役の最後とか。すごい頑張りには、すごい動機付けが必要かっていうとそんなことないとは思いません?楽しいからやっている、好きなものを作っている。自由勝手にやってるから、他にはない個性が出る。そんな事を再認識させてくれた、この作品のスタッフに感謝を伝えたい。言葉だけじゃだめだ、、、仕事してBD買わなきゃ、、、ブログ書いてる場合じゃねえわ。