【総評】結構面白かったんだからジタバタすんなよ。ドンと構えろよ
点数:74
筆者が観測した本作の概要
え?原作2018年に完結してたの?
本作は2017年に放送された漫画原作のアニメ『政宗くんリベンジ』の2期作品となっている。可愛い原作絵で印象に残った作品だ。イラスト担当のTivは韓国出身のイラストレータらしい。
内容の方は、過去にひどい扱いをしたヒロイン安達垣さんに復讐をするために身なりを整えた主人公が、高校生になったヒロインに接近をする物語となっている。2期となる本作では過去の出来事の真実が明らかになり、ライバル?の兼次の動きもあってついに二人が恋人となる展開となっている。
総評通り「結構良かった」という感想になるが、最終話周辺でジタバタしてしまった印象がある。凄いジタバタしてしまった印象がある。
HighLight
まぁ、オタク(我々)は喜ぶよね。というパラメータがガチガチに揃っている。キャラ可愛い、声優が豪華な恋愛アニメとなっている本作は、アニメーション的な負け筋はほぼ無い。
本作の特徴を取り上げると、恋愛作品の中でも特に「女性キャラの言語化能力が異様に高い」と感じている。特に9話終盤の安達垣さんや、切ない雰囲気を醸し出している藤ノ宮さんも、自分の気持ちを言葉にする能力に長けすぎていませんか?おめぇら本当にJKか?
アニメに何言ってるんだって感じになってしまうかもしれないが、めちゃくちゃ芝居がかったセリフやクサイ言い回しが多く、そこが・・・良いよね。可愛いキャラと有能声優陣で行われるからこそ許されていた可能性は否定できない。
なろう系作品がこの作品の雰囲気で進行してたら御堂筋くんがチャリ漕いで駆けつけちゃうもんな。
LowLight
本作がジタバタしてしまった箇所は多いぞ。なんと4か所もある。順番に見ていこう。
1.政宗くんのリベンジ、勘違いだった問題
しかし作品タイトルの原因ともなった主人公のリベンジが実は”小岩井吉乃”の行動によって生まれた勘違いだったというオチはどうなんですかね。”リベンジするためにヒロインに向けた刃を、主人公がどう納めるのか・・・っ!”ここを注目ポイントとしていた身としては、ちょっと空振りというか「あ、勘違いだったんですね」と肩透かしになってしまった気がする。
これ普通に安達垣さんが「ごめんなさい」して政宗くんが「いいよ」っていう流れで良くなかった?これはワシの趣味か?ワシだけの趣味なのか?
2.政宗くん、ストレスで蕁麻疹でてしまう問題(好きじゃない恋愛対象に触れると発動する?)
これは視聴者に心理状況を分かりやすく伝えるための施策ですよね?「安達垣さんが悪くなかった事は頭で理解できているけど、心の深いところで納得できていない」的な複雑な心理をストレス反応という形で表現したんですよね?
ありっちゃありだと思うんですけど、「いやそれ勘違いだったので、そんな深刻そうにされても・・・」と思ってしまったのは私だけだろうか?1.が原因になっている気もする。信州の山奥で自分の気持ちと向き合うシーンは良かったですけどね。
3.安達垣さん、政宗くんを小岩井吉乃に譲る問題
安達垣さんは藤ノ宮さんに分かれるように言い渡される、その上政宗くんがリベンジを目的をしたことを知ってしまう。そこで小岩井吉乃が「デッド・オア・ラブ作戦」の全貌を説明し、安達垣さんの不安が勘違いだったと伝える。その後安達垣さんは小岩井吉乃の恋心に気づき背中を押す。
「いや、もうよくわかんねぇよ」。ただでさえ、人様の恋心なんて理解が難しいのに、こんな複雑な状況になったら誰が何したいのか理解が追い付かねぇよ。やっていること自体は”俺ガイル”の最後に近いので、結構良い内容のはずなんだけど、イマイチ理解に落とし込めない。
そもそも私の頭が「政宗くんがリベンジしようとした気持ちとどう決着するのか」にフォーカスを置いていたため、三角関係に舵を切ったこの作品のスピードに置いて行かれてしまった。ラスト3話くらいですごく状態が遷移しているため、ジタバタしているように見えてしまった。ワシだけか?ジタバタしてるように見えたのはワシだけか?
4.安達垣さんと結局くっつく問題
いや、結局そっちとくっつくんかーーーい!当然と言えば当然の形だったが、11話ラストであの内容なので小岩井吉乃エンドにワンチャンを感じてしまった。
“怒涛の展開”・”想像ができない結末”は素晴らしいと思うが、それはファンタジー作品や謎解き作品だから好ましいことであって、人間模様や恋愛模様を描く作品では”王道の結末を繊細に描く”のがベターだと思ってしまった。
「どうなるのか?」よりも「なぜそうなったのか?」を言及する作品の方が好きです。これはワシの好みのか?ワシだけの好みか?このサイトはずっとワシの好みを書いてるのか?
まとめ
ここまでこの記事を読んでいただけた皆様に感謝を申し上げます。そしてお察しの通り本作について私はとても楽しむことができました。
作品の展開に振り回されるような経験は久しぶりで、これだけ文字数を書いていることも、作品を楽しんだことの裏付けなんだと思います。
あとは・・・地味に作画悪いよね。悪いっていうかあんまり良くないですよね。そこだけはちょっともったいないポイント。
最後髪を切った安達垣さんとのやり取りは可愛いかったし良かったですね。何より一番良かったのは、調子に乗った政宗くんが安達垣さんにビンタされながら締めくくっている事。大事な作品の締めくくりにこういう”遊びを入れている感じ”は嫌いじゃないです。
終わると寂しいものですね。お疲れさまでした。