※※※本記事では会場にいらっしゃった皆様に、最大限の敬意と愛をこめて呼称をつけています。実際のやり取りでは穏やかな会話を徹底しておりますのご安心ください。
ごちうさ展に行ってきました。
イベントに参加される皆さんに参考にしていただけると幸いです。参考にしていただかなくても、特段問題はございません。
東京ドームシティ Gallery AaMoで2/23から3/12まで『Cafe Lumiere』という名前のイベントが開催されている。展示会ではごちうさのこれまでの歴史と絵を、脳みそがとろけるまで堪能するという魔窟となっている。
今回は愉快なイベント参加報告ではなくその会場周辺のボケナスたちと、No.1ボケナスである私の体験談を手短に綴っていく。
Silent journey in Tokyo
ごちうさ展はいつも通りの立ち上がりを見せていた。２月朝は寒くテンションが上がらない中、私は東京ドームを右手に歩いていた。集合時間の少し前に、友人のキモオタが会場に着いたとLINEで報告をくれた。本サイト管理人の１人であるSNモッピーだ。
SNモッピーといえば会社と自宅を往復する毎日を過ごしており、たまにお金を使う事と言えば数か月に一度お気に入りの漫画を数冊買う程度だ。
彼は重度のごちうさ欠乏症（リゼ型）を患っており、その影響で私も同じ病（シャロ型）を抱えている。
SNモッピーは実家暮らしである事と、質素な生活を自らに課しているため、収入のほとんどが銀行口座に貯め込まれる。
“質素な生活を徹底する”という制約と誓約を課して得た彼の念能力『臓器は次々死んでいく（ファイト・フォー・リバティ）』は多少の入院費が掛かっているものの、相当な貯金をため込んでいるはずだ。
私は彼に会うとすぐに貯金状況を確認した。耳を疑ったあとにひっぱたきたくなるような大金（常人の4倍）を抱えている様子だった。
愛ってのはね、呪いみたいなもんだからね
ごちうさ展の中身は、毎回出席している我々からすれば代り映えがしないものが多かった。今回の展示会は初来訪であるが、まるで５・６回目の様な既視感があった。これは、ごちうさ欠乏症の典型的な症状である。短いスパンで展示会に行きすぎなのだ。
この展示会の本命は会場でもらえる入場特典である。入場特典はキャラクターの色紙が貰える仕組みとなっており、何のキャラが当たるかは完全にランダムなのだ。
入場時の結果は以下の通りだ。
【初期状態】
TKタローボー：メグ
SNモッピー：シャロ
私の隣のボケナスはどうやら引きが強いようで、私の症状を緩和するキャラクター（シャロ）を引き当てていた。一方の私は、ごちうさ界の最弱カードともいわれるメグを引き当てていた。紳士協定に則り、とりあえず交換する事となった。
【2nd状態】
TKタローボー：シャロ
SNモッピー：メグ
このメグというキャラクターは演じている声優は人気があったものの、第一級戦士かと言われると疑問が残り、新キャラにも人気投票で負けそうな勢いのいわゆる微妙なキャラだった。
対してSNモッピーの希望はリゼであり、これはごちうさ界最強のチノに継ぐ２番手の存在だ。
メグの色紙でリゼを交換しようとするのは、コアラのマーチでiPhone14を交換してもらう程の難易度が高い。
歴戦のごちうさ展の猛者である私たちはこの問題に対する対処方法を知っていた。それは、キャラクターグッズ売り場で特定キャラエリアに張り付く事だった。
私はすぐにメグコーナーに張り付き、メグファンが現れるのを待つこととした。
このまま地球が滅びるまでメグコーナーに誰も来ない可能性もあり得たが、その時は存外早く訪れた。
キモオタがメグコーナーの前に立ち、メググッズに手を伸ばしたのだ！私はすぐさまそのキモオタに声をかけた。
「もしメグファンの方でいらしたら、手持ちの物と交換していただけませんか？」
出）メグ 求）Any
上記の姿勢は”メグだけは要らない”という、メグファンには若干失礼なニュアンスを含んでいたが、目の前のキモオタは好物を差し出されて冷静な思考回路は消えていたため問題なかったようだ。
メグファン「あー大丈夫ですよ。ありがとうございます。」
目の前のメグファンはすぐにＯＫをくれた。彼のカゴを見てみるとチノグッズが大量に入っていた。
どうやら本命はチノなのだが、サブ推しがメグだったようだ。「メグファンなんてこの世にいない説」がいよいよ現実味を帯びていた。
私は失礼のないように何度か「本当に良いんですか？」と確認すると、
チノファン「いえいえメグも大好きなので大丈夫です！ありがとうございます」
と明るく回答をくれた。
チノとメグが好きってことは「真性のロリコンだなこりゃ」と思いながら、チノファンを見送るのだった。
真性ロリコンが残していった色紙は主人公のココアだった。主人公ではあるため一定の需要は有るが、おそらく３番手のシャロには負けるだろう。ごちうさ界の中堅とも言って良い主人公キャラの色紙を持って次の戦いに向かう。
【3rd状態】
TKタローボー：シャロ
SNモッピー：ココア
愛ってのはね、法律みたいなものだからね
ココアコーナーの前で少し張ってみたのだが、次は交換先がリゼでなければならない。手持ちがメグの状態で、求）Anyだった先ほどとは状況が違うのだ。
色紙を見えるように持ち歩いている人物は全体の５％ほどで、リゼ所有者を確認する事は困難だった。グッズ売り場で不審な動きをして居座り、スタッフに声をかけられても格好が悪いので売り場を出る事とした。
太陽も登り、外は暖かくなっていた。展示会場の前には複数のキモオタが待機しており、交換希望なのか色紙を見せながら徘徊している者もいた。
自分のキャッチコピーを”Never afraid to say what you really feel”にしている私はキモオタ相手に声をかける事をためらわない。偶然リゼを所有しているキモオタに声をかける事とした。
私「あのー、リゼの色紙を求めているんですけど、お兄さんは誰推しか教えてもらう事は可能ですか？」
極力低姿勢で、相手が協力的な人物であることを祈りながら声をかけてみた。そのキモオタはどうやら千夜推しだった。
なるほどなるほど、千夜推しか、了解と言った感じでその場は解散した。この情報を得たことでココア→リゼのパターンとココア→千夜→リゼの攻略パターンが生まれた。
次はTwitterだ。
キモオタはグッズの交換をTwitterで呼びかけていることが多く、それを知っていた私たちはTwitterで「求）ココア」の人物を探した。そして、その人物が「出）千夜orリゼ」である事が理想だった。
10時と言う初回入場組でもあったため、Twitterの交換希望者は少なく、あまり理想的な人物が見つからない。そんな中「求)ココア 出）チノ」という好物件を発見した。
チノと言えばKing of ごちうさ。交換カードとしては最強だった。私のTwitterアカウントが鍵垢であるために多少連絡に手間取ったが無事その女性と交換する事が出来た。
偏見でココアファンは女性が多いと思っていたが、見事にその通りだった。逆に女性人気が一番なさそうなのは、、、リゼか？その議論はおいといて、チノと言う最強カードを手に入れた私たちは5thステージに進んだ。
【4th状態】
TKタローボー：シャロ
SNモッピー：チノ
人生はね、捉え方ひとつだからね
10時回の客が大体出て行ってしまった。次は11時回のキモオタが出てくるまでしばらく動きが無い。
そういえば、リゼをもっている千夜推しのキモオタはいつまでいるのだろうか？私たちのせいで帰れなくなっているのでは？と思い、声をかけておく。
彼はどうやら時間的に余裕があるらしく、しばらく粘るつもりだったようだ。「自分から声をかける事も無く突っ立っているだけの彼が粘った所で、どうにもならんぞ」とマジレスしたくなったが、この提案はリゼルートの１つがしばらく残る事を意味しており、ありがたいものだった。あと君が時間的に余裕がある事は言われなくてもわかっていた。
千夜推しになったきっかけは？と聞いてみると、氷菓のヒロインえるたそが好きすぎて佐藤聡美ファンになっていたらしい。ついでに京アニの大ファンとのこと。
京アニの大ファンと言ったので「今ツルネやってますね」と話を振ると、その自称京アニファンは「ツルネは見ないし、Freeも見ていない」とのことだった。
どの口で”京アニファン”を名乗っているのか意味が不明だったが、笑顔で話を続けることにした。彼のことは今後えるたそと呼ぶ事とする。
私「京アニすっごい絵が綺麗でいいですよね！」
えるたそ「そうなんですよ！好きすぎて聖地巡礼しました！」
SNモッピー「岐阜か」
私「えーすごい！京都とかですか？」
えるたそ「岐阜ですね！遠かったけどなんとかかんとか」
SNモッピー「そうそう聖地は岐阜で～」
初対面の人間にはとりあえず”相手の期待するリアクション”をして、”とりあえず驚いとけ”と普段から散々私が言っているにも関わらず、SNモッピーの行動に変化が無い事に冷たい視線を送っておく事にした。
気が付くとえるたそは仲間に加わっていた。場所を変えると自然とついてきたため変な笑いが生まれそうだったが、彼は”汎用キモオタ型好青年兵器えるたそ”だったため特段問題は無かった。
チノと言う最強カードを持った私はチノファンを探すこととした。色紙を見えるように持ち歩いている人物は少なく、リゼor千夜を持っている人物に声をかけるのが理想だったが、この状況では致し方ない苦肉の策だった。
キモオタたちは一定数推しキャラの服を着たりバッジを付けたりすることで推しを表現していたが、会場にいる大体のキモオタ達は外見から”推し”を特定する事が出来なかった。
この会場のボケナス達がキモオタのクセにグッズを身に着けていない事にだんだん腹が立ってきた。
そんな中、えるたそが妙な事を言い始めた。
「あの人・・・千夜推しじゃないですか、、、？」
え、何この人怖い。どう見ても普通の服装の男性を、歩き方や服のセンスで千夜推しだと判断し始めたのだ。同族にだけわかる何かがあるのだろうか？
おどれは何をもって判断しとるんじゃい？と聞くと、「いや、あの巻かれたタペストリーは～」とか独自の観察眼の話をし始めたので私はスルーしておくことにした。いつの時代もキモオタは口を動かす事だけは立派である、これは周知の事実だ。
その時、我々の前をチノのハッピを着た奇怪な人物が通り過ぎた。私はトライアンドエラ―の精神で彼を追いかけた。長身の男性は服装以外は普通の見た目をしており、同年代くらいに見えた。
私「すいませーん。チノ推しの方ですよね！？今私はチノの色紙を持っていて、良かったら交換していただきたいのですが、何持っているか聞いても良いですか？」
奇怪な人物「・・・ォア」
私「・・・・え？」
奇怪な人物「・・・ォア」
奇怪というレベルでは無い。”言語が異なる”とかそういうレベルでは無く、発声機能がまだ備わっていない人物に声をかけてしまっていた。自己主張の強すぎる服装の男性から放たれるデシベルは、常に一桁を保ち続けた。
何回聴いても「・・・ォア」しか返さない男性はココアの色紙を取り出した。
私「あぁ！ココアですね！すいませんちょっとマッチしなかったです。お騒がせしてすいませんでした！」と声をかけて立ち去った。彼から視線を感じていたが、振り返る勇気は私にはなかった。
次に声をかけたのはチノの服装をした男性3人組だ。複数人グループは良い。少なくとも一桁デシベルマンが出てくることは無く、手持ちの色紙の量も人数分あるためだ。良い交換が出来る可能性は高い。
ちなみに彼らは早い段階で一度声をかけていた。その時は色紙がココアだったわけだが、チノグッズを身につ付けた人もいたため、今交換できる色紙がチノである事を伝えに行く事とした。
「あのさっき声かけさせてもらった者なのですが、今持っている色紙がチノになりました！皆さんの中にリゼ持っている方いますか？」
と聞くとそのグループの一人であるキモオタＡが
キモオタＡ「リゼありますよ～リゼグッズなら持ち歩いてます～～ｗｗ」
と鞄を漁り始めたので私は聞こえないフリをした。
今は入場特典の色紙の話をしている。”今は”っていうかずっと入場特典の色紙の話をしている。というか、入場特典の色紙の話しかしていない。お前のバッグの中のグッズはホンマに知らん。
良識のあるキモオタＢはキモオタＡの勘違いにいち早く気づき、
キモオタＢ「あーリゼの色紙は僕ら持っていないです！すいません！」
と言ってくれた。
どうやらこの二人付き合いは長いのだろう。キモオタＢがキモオタAの勘違いを察するスピードが尋常ではない。
キモオタAは「あっ、”そっち”か」とボヤき、鞄を漁る手を止めた。どうやら勘違いに気付いたようだ。
そう、”そっち”じゃなくて”こっち”だ。最初からずっとな。
3人組キモオタグループと別れを告げ、次は二人組の男性に声をかけた。
彼らは既に望んだ色紙が手に入っているらしく、交渉の余地は無かった。私の統計情報調査のために誰推しかを確認すると、キモオタＸはリゼ推し。キモオタＹはシャロ推しだった。
不快なことに、彼らの推しは私とSNモッピーの推しと完全に一致していた。
私は「貴方たちは二度と私に出会わないでください」とその二人に言いつけ、えるたそとSNモッピーと共にその場を立ち去った。
【4th状態】
TKタローボー：シャロ
SNモッピー：チノ
えるたそ：リゼ
人生ってのはね、変えられるもんだからね
時間をかけたが色紙の状態は動かず、その後に声をかけたカップルもチノ推しではあったが、持っている者はココア・フユだったため、こちらのニーズにマッチしなかった。
しかしながら、多くのトライアンドエラーの結果、エンディングまでの多くの道筋を開発した。
チノ→リゼ （えるたそBADエンド）
チノ→千夜→リゼ （えるたそTRUEエンド）
チノ→ココア→リゼ （えるたそBADエンドwithカップル）
チノ→ココア→千夜→リゼ （えるたそTRUEエンドwithカップル）
チノ→フユ→リゼ （えるたそBADエンドwithカップル）
チノ→フユ→千夜→リゼ （えるたそTRUEエンドwithカップル）
人生の成功はどうやら行動力にあるようだ、動けば動くほど状況が良くなる。
途中リゼグッズを身にまとった人を見つけて「あの人に声かけて千夜でてくるんじゃね？」と思い、声をかけようとしたが、その行動が「さっき知り合ったキモオタえるたその仲介業務をするだけ」となる事に気付き中断した。
多くのキモオタに声をかけて私は頭がおかしくなっていた。
事の顛末としては、求）チノ 出）千夜 の人物を見つけ出し、えるたそTRUEエンドという形で戦いを追えた。
【最終状態状態】
TKタローボー：シャロ
SNモッピー：リゼ
えるたそ：千夜
目的を達成したえるたそと別れを告げた。ありがとうえるたそ、さようならえるたそ。ブログでネタにするから僕らのサイト見てねと共有しておけば良かっただろうか。えるたそさん、もしこの記事を見ていたらこちらに連絡していただかなくて良いです。
そして会場でお会いしたすべてのごちうさファンの方に感謝と、ネタにしてしまってすいませんと心底ここで謝罪をしておく。
どれもこれもありきたりで、ひどく愛しい
謝罪をした後にこんな事を書くのもどうかと思うが、この戦いで感じたのは「全員推しキャラのグッズ身に着けとけよボケナス！死ね！」である。
とは言え自分たちも目に見える位置にグッズを身に着けているわけでは無い。
いかんいかん、これでは自分たちも知らないキモオタから「死ね！」と言われる可能性がある。考え方を改めなければ、、、
そういえば、、、
あの発声機能の備わっていない奇怪な男性は、私に「ポア（死ね）」と言っていた可能性があるな。その事に気が付いた所で、私の祝日はターンエンドだ。
「・・・・・ポア・・・・・・・ポア」
おわり。
