【2023夏アニメ】もののがたり2期【最終話(12話)後感想・評価】


【総評】王道作品は作画が命。ここにそれはない
点数:67

筆者が観測した本作の概要

2023年冬アニメとして1期が放送されている本作『もののがたり』。原作の絵柄もかっこよく、王道ファンタジーとして人気を確立しているらしく、その反動としてアニメの評判はよろしくない。
作画のクォリティが高くない現状は、王道ファンタジー作品としてかなり良くない状況となってしまった。

長月ぼたんに秘められた現人神(あらひとがみ)が描かれたり、主人公の仇であるから唐傘が出現してきたりと、本作の超重要ポイントまでアニメ内で放送してくれたことはありがたい。
間延びしがちな少年漫画で大本命の登場人物が揃ってくれたことは、2期の魅力となっている。はずだった。

「王道作品はアニメーションがしょっぱいとどうにもならない」という根深い問題について書く記事となっている。

もののがたりに関する過去記事を残しておくよ。

HighLight

冒頭でも書いたが本作の良かったポイントは、物語の根幹部分を披露してくれた事。これはアニメ勢的には大きな評価ポイントだ。1話から主人公の敵討ちがメインであることは視聴者に伝えているし、長月ぼたんが特殊な存在であることも1期の早い段階で紹介されている。

これらの内容が2期の中で公開されていてよかった。逆にここが描かれることなく、謎の中ボスと格闘して終わっていたら「2クール使って何がしたかったの?」となっていたところだ。

可愛いらしい男女の恋愛描写も添えつつ、現人神(あらひとがみ)になったぼたんを正気にもどす兵馬さん、復讐よりも使命を優先する主人公らしい姿。この作品で描きたかった物はどれも”王道”と呼ぶにふさわしい内容で、これが嫌いな少年はいなだろうと思わせてくれる内容だった。

繰り返すけど内容は良かったんだよ、内容は。

LowLight

冒頭でも書いた通り、アニメーションのクォリティが低いことがそのまま致命傷になっている。作画クォリティを上げることはアニメーションの基礎であり、奥義でもあるのだ。カッコいいセリフとカッコいいシーンがめちゃくちゃ安っぽく見えたり、恐ろしい敵やピンチな状況が茶番に見えてしまう。

なぜ、「王道アニメは作画がしょっぱいときつい」のだろうか。

少しアニメ全体の話をさせていただく。アニメーションの中で作画が悪くても成立しているアニメは一定数存在するのだ。(”成功”ではなく”成立”している書いていることを念押しするよ)

たとえばちょっと間に放送した「マイホームヒーロー」。作画が悪すぎて緊張感がなくなるかと思ったが、あまりにも先が読めない展開が続き、作画なんてどうでもよくなるくらい先の展開が気になって楽しむことができた。

あの作品のように”内容がかなり個性的で、かつ続きがどうなるか気になる作品”は、作画が悪くてもある程度成立してしまうのだろう。
(そりゃ作画が悪いと先が気にすらならない、作画が良いほうがもっと面白かった。という意見があることは承知している)

本作『もののがたり』の話に戻ると、良くも悪くも設定が「よくある設定」なので、内容だけでゴリ押せるタイプの作品にはなっていない。もしこれが『鬼滅の刃』や『進撃の巨人』くらいクォリティが高かったら、内容の評価すら変わっているだろう。

作画の出来が悪いばっかりに、内容までつまらないと可哀想な評価を受けている気がする。そりゃ原作ファンも怒るわけである。例えるなら、「仕事ができる人が運動やゲームもできる」と勘違いされたり、「アスリートが人格者である」と誤認されるのに近いだろう。

本来関係ないはずの「作画がわるい」のせいで「話も面白くない」がごっちゃになるのである。
人はこれを『ホーン効果』と呼ぶらしい。逆ハロー効果というやつだ。

まとめ

原作が面白ければ、もっと良い制作会社がつくんだよ。という議論はちょっと思考放棄している気がする。本作は王道ファンタジーとして高い評価を受けているからこそ、2クールでアニメ化されているわけであり、「微妙なアニメ化となった」という結果は、なるべくしてなった結果だとは思っていない。

純粋に本作のアニメを楽しんだ人が、この記事を見たことによって「え?私はすごくおもしろかったのに世間では評価悪いの?」と思わせてしまったのであれば、そこは申し訳ない。「アニメは受け手の受け取り方がすべてだ」とアニメの偉い人も言っていたので他人の評価など気にせず、「私は楽しめた」と声を大きくしてXに投稿してあげてほしい。

この作品に関しては取り扱いが実に難しい。

「もっと捻った内容にして、ぶっ飛んだ作品にしろよ!」という意見を見ても・・・うーん、それはさすがに乱暴では?王道には王道の良さがあるよ。と思うし

「もっと作画良くしないと、話にならないよ!」という意見を見ると・・・・うーん、全部が全部超ハイクオリティにするのは業界的に限界が・・・と思うわけである。

うーん、2ルール使った割には消化不良な感じになってしまった。作品自体は絶対にいい作品だったんだが・・・お疲れさまでした。

 

 

アニメに限らず、こういう人生歩んでる人いそうだよな。おっとここから先はレピュテーションリスク(最近覚えた単語)が高いからやめにしておこう。

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