2012年冬のコミケでその男は私の人生に現れた。
その男は私が「魔法少女まどか☆マギカ」の佐倉杏子が大好きだと聞くと「まどかの綺麗なグッズを作っているサークルがあるんだ、TKタローボーが企業列に並んでいる間に俺が買ってくるよ」と提案してくれた。
私の大学の友人Oの友人として現れたその男は不愛想に佇む私に気を使ってくれていた。
それがY鍬という男だ。
Y鍬という男について紹介させてほしい。(本人の許可無し)
Y鍬の良いところはホスピタリティの高さだ。
会う人、遊ぶ相手を楽しませることを優先するY鍬は私生活でもネタ探しをしている。
WEBで見かけた面白い記事や画像は日常的に共有してくるし、カラオケに行く予定があるなら必ず何かしらのネタを用意してくる。それがY鍬という男だ。
Y鍬の悪いところは頭が悪いところだ。
自分の氏名を漢字で書ければ入れる大学を卒業しており。基礎的な学力は欠落している。
そのためちょっと真面目な映画やドキュメンタリーを共有すると、時間を割いて見てくれるし、その感想を言ってくれるが、「よかった」「面白かった」と見ていなくても言える言葉しか出てこない。
恐らく実際に見ているからそこを疑う必要はない。自分の感じたことをまじめに言語化する機能が欠落している、それがY鍬だ。
Y鍬の良いところはフットワークの軽さだ。
私が思い付きで発する提案にこの男が大体最初に乗ってくる。最初に動く人間もそれなりに必要だが、
他者に追従する人間はさらに必要だ。二人目が存在しなければ集団が動くことは無い。
ランニング・筋トレ・ダイエット・ゲームなど何を提案してもフットワーク軽く参加してくれる。
だがそれも長くは続かいない。3日を待たずして中断している。
健康に関する知識量と肉体状態が完全に一致していない。それがY鍬だ。
Y鍬の悪いところは笑いのツボが不謹慎であるところだ。
彼は下ネタ・病名・差別・炎上・宗教が大好物だ。もし彼と仲良くなりたいのであれば、このあたりの分野で固有名詞を準備していくといい。
解離性人格障害・タントライニシエーションなどの少し長めの言葉がお気に入りのようだ。
笑いのツボが不謹慎に偏っていることから、公的な場では彼本来の実力を発揮できない。
彼が実力を発揮するのは男性のみでクローズドなエリアに限定される。それがY鍬だ。
Y鍬の良いところは勝気なところだ。
彼とはApexというFPSを一緒にやることが多いが、何かしらのスイッチで「ちょっと本気出すわ」と言い出すと、至近距離でショットガンをぶっぱなしに行くのかと思ったら。20~50m離れた位置からチクチク嫌がらせを始める。
勝気な性格と裏腹に得意分野が安全圏からの嫌がらせだ。これの一体どこが良いところなのかはわからなくなってきたが、それがY鍬だ。
Y鍬の悪いところはすぐ寝ることだ。
「起きている」と返信が来ても1分後にY鍬が起きているとは限らない。愛犬の散歩のために早朝に起きているY鍬は、22時を回ると起きている確率が極端に低くなってくる。
Apexをやっていて先にリング内の安全地帯に入ってしまうと、待ち時間でY鍬は寝てしまう可能性がある。全然安全じゃない。それがY鍬だ。
Y鍬の良いところは性にオープンなところだ。
具体的には、Y鍬が見てよかったAVやおすすめのAV女優を聞いていないのに話してくれる。
これは自分の性的趣向を話してはいけないという既成概念を壊しに来るY鍬の挑戦なのかもしれない。
飲み会などで話題が下ネタになると自分の名前を呼ばれているかのように、食いついてくる。
それがY鍬だ。
隙だらけのパーソナリティなので隙だらけの人間関係で良い、そんなY鍬にこれからもよろしくと伝えたい。
おわり。