「これがワタシの求めていた魔法デス。それをどうしてあなたが否定する?私と同じ時間を過ごしたあなたが」 <audio id="audio1" src="https://yourcriteria.com/wp-content/uploads/2025/02/infinite_0.mp3"></audio> <button id="playButton" onclick="var audio = document.getElementById('audio1');audio.loop = true;if (audio.paused){ audio.play();audio.volume = 0.05;} else { audio.pause(); audio.currentTime = 0;}">BGM-ON/OFF切替</button> (align:"==>")+(box:"=XXXX")[[1-1]] 「この3か月でワタシ達がしてきた事と、このワタシの魔法。いったい何が違うと言うのデスか?」 [[1-0]] (align:"==>")+(box:"=XXXX")[[1-2]] 博士の表情はいつもと違っていた。自信満々で得意げないつもの博士の姿は無く、泣き出しそうなその表情は、少し怒っているようにも見えた。 [[1-1]] (align:"==>")+(box:"=XXXX")[[1-3]] 中央魔法研究所で作り上げた術式と、これまでの旅路が導き出した『術式を使わない魔法』を組み合わせた巨大な魔法陣は、今頃大陸を覆いつくしている事だろう。 [[1-2]] (align:"==>")+(box:"=XXXX")[[1-4]] 博士は、この魔法を使うことが世界のためになると信じている。 [[1-3]] (align:"==>")+(box:"=XXXX")[[1-5]] 漆黒の髪をなびかせた女性は、その灰色の瞳で私を見ていた。 [[1-4]] (align:"==>")+(box:"=XXXX")[[1-6]] 私はこの瞳が好きだった。博士の決断の最後のピースとして、『私の答えを』待ってくれている。そんないつもの眼差しだった。 [[1-5]] (align:"==>")+(box:"=XXXX")[[1-7]] 思い返せば、初めて出会った日もそうだった。博士の中で理論・結論が揃った状況で、実際に私達が行動を始めるきっかけになったものは、いつも私の受け答えだったように思う。 [[1-6]] (align:"==>")+(box:"=XXXX")[[1-8]] 私は少し俯き、その目を見ることが出来ずにいる。 [[1-7]] (align:"==>")+(box:"=XXXX")[[1-9]] 私の次の言葉ですべてが決まるのだろう。明日の世界のあり方が変わってしまうのかもしれない。 [[1-8]] (align:"==>")+(box:"=XXXX")[[1-10]] でも、覚悟を決めた。 [[1-9]] (align:"==>")+(box:"=XXXX")[[1-11]] 茶色がかった黒髪のポニーテールの少女は、その茶色の瞳で目の前の泣き出しそうな魔法使いを見つめ、右手を動かし、あの灰色の瞳を指さしてこう言った。 [[1-10]] (align:"==>")+(box:"=XXXX")[[1-12]] 「私があなたを止めようとするのは、その魔法がカッコ悪いと思ったからですよ、博士」 [[1-11]] (align:"==>")+(box:"=XXXX")[[1-13]] 少女と博士が出会ってから100回目の正午を知らせる教会の鐘が鳴り響いた。 [[1-11]] (align:"==>")+(box:"=XXXX")[[第1章へ]]